久留米市議会には、誰がいて、どの会派に所属しているのでしょうか。
市議会議員の名前は選挙のときに目にしても、当選後にどの会派へ所属し、何期務め、前回選挙で何票を得たのかまで一度に確認できる機会は多くありません。
久留米市議会の議員定数は36人です。ただし、2026年9月25日現在の公式名簿は「実数35人」となっています。2023年の市議選で当選した原口和人氏が、2026年4月6日に73歳で亡くなり、1議席が欠員となっているためです。
この記事では、2026年10月10日現在の現職35人を現在の会派・団体別に整理します。
久留米市長、市議会、県議会がそれぞれどのように街と関わっているのかは、久留米の政治を読む|市長選・市議会・県議会から街の動きを整理するで全体像をまとめています。
久留米市議会は定数36人、現在は35人
久留米市議会議員の任期は、2023年5月2日から2027年5月1日までです。定数は条例で36人と定められています。
現在の内訳は、3人以上で構成される「交渉会派」が6会派、2人以下の「団体」が3団体です。
| 区分 | 会派・団体 | 人数 |
|---|---|---|
| 交渉会派 | きずな議員団 | 6人 |
| 交渉会派 | 久留米たすき議員団 | 6人 |
| 交渉会派 | 公明党議員団 | 6人 |
| 交渉会派 | 立志会議員団 | 5人 |
| 交渉会派 | みらい久留米議員団 | 4人 |
| 交渉会派 | 緑水会議員団 | 3人 |
| 団体 | 日本共産党久留米市議団 | 2人 |
| 団体 | 改革の会 | 2人 |
| 団体 | 日本維新の会 | 1人 |
| 合計 | 35人 |
最大勢力は一つではありません。きずな、久留米たすき、公明党の3会派が、それぞれ6人で並んでいます。
どの会派も単独では議会の過半数を持ちません。久留米市議会の意思決定を見るときは、政党名だけでなく、議案ごとにどの会派が賛成し、どの会派が反対したのかを見る必要があります。
久留米市議会議員35人|会派・当選回数・2023年得票数一覧
一覧は現在の会派・団体別に分け、各会派内では2023年市議選の得票数が多い順に並べています。
得票数の小数点以下は、同じ姓や似た名前だけが書かれた票を候補者へ比例配分する「按分票」によるものです。
きずな議員団|6人
| 議員名 | 当選回数 | 2023年得票数 | 選挙時の党派 |
|---|---|---|---|
| 吉冨巧 | 4期 | 3,234票 | 無所属 |
| 堀田洸太朗 | 1期 | 2,599票 | 無所属 |
| 石井秀夫 | 4期 | 2,523.140票 | 無所属 |
| 山田貴生 | 3期 | 2,382票 | 自由民主党 |
| 古賀としかず | 2期 | 2,220.133票 | 無所属 |
| 田住和也 | 3期 | 1,692票 | 無所属 |
久留米たすき議員団|6人
| 議員名 | 当選回数 | 2023年得票数 | 選挙時の党派 |
|---|---|---|---|
| そうだ耕一郎 | 3期 | 3,382票 | 無所属 |
| 中村博俊 | 2期 | 2,905票 | 無所属 |
| 松岡保治 | 3期 | 2,566票 | 無所属 |
| 甲斐田義弘 | 7期 | 2,365票 | 無所属 |
| 石井俊一 | 6期 | 2,322.859票 | 無所属 |
| 山崎ケブン | 1期 | 1,967票 | 無所属 |
公明党議員団|6人
| 議員名 | 当選回数 | 2023年得票数 | 選挙時の党派 |
|---|---|---|---|
| 塚本弘道 | 4期 | 2,722票 | 公明党 |
| 田中貴子 | 3期 | 2,555.531票 | 公明党 |
| 山下尚 | 4期 | 2,274票 | 公明党 |
| 田中功一 | 5期 | 2,270.468票 | 公明党 |
| 生野薫 | 1期 | 2,246.644票 | 公明党 |
| 坂田光弘 | 1期 | 2,242票 | 公明党 |
立志会議員団|5人
| 議員名 | 当選回数 | 2023年得票数 | 選挙時の党派 |
|---|---|---|---|
| 永田一伸 | 6期 | 2,676票 | 無所属 |
| 権藤智喜 | 3期 | 2,350票 | 自由民主党 |
| 堺太一郎 | 2期 | 2,075票 | 無所属 |
| 轟照隆 | 2期 | 1,877票 | 無所属 |
| 長野哲 | 1期 | 1,647票 | 参政党 |
みらい久留米議員団|4人
| 議員名 | 当選回数 | 2023年得票数 | 選挙時の党派 |
|---|---|---|---|
| 藤林詠子 | 6期 | 2,950票 | 無所属 |
| 秋永峰子 | 3期 | 2,921票 | 無所属 |
| 石田眞一郎 | 1期 | 2,276票 | 無所属 |
| 古賀敏久 | 4期 | 2,005.866票 | 無所属 |
緑水会議員団|3人
| 議員名 | 当選回数 | 2023年得票数 | 選挙時の党派 |
|---|---|---|---|
| 吉武憲治 | 2期 | 2,822票 | 無所属 |
| 森崎巨樹 | 3期 | 2,299票 | 無所属 |
| 佐藤晶二 | 10期 | 1,891票 | 無所属 |
日本共産党久留米市議団|2人
| 議員名 | 当選回数 | 2023年得票数 | 選挙時の党派 |
|---|---|---|---|
| 小林ときこ | 2期 | 2,445票 | 日本共産党 |
| 金子むつみ | 3期 | 2,005票 | 日本共産党 |
改革の会|2人
| 議員名 | 当選回数 | 2023年得票数 | 選挙時の党派 |
|---|---|---|---|
| 大熊博文 | 6期 | 1,841票 | 無所属 |
| 後藤敬介 | 4期 | 1,795票 | 無所属 |
日本維新の会|1人
| 議員名 | 当選回数 | 2023年得票数 | 選挙時の党派 |
|---|---|---|---|
| 草場公晴 | 1期 | 4,351票 | 日本維新の会 |
※久留米市議会公式サイトでは、森崎巨樹氏と山崎ケブン氏の「崎」は、つくりの「大」が「立」になる字が正式表記とされています。本記事では表示環境を考慮し、常用漢字で表記しています。
故・原口和人氏|2023年市議選で4,222票
| 氏名 | 当選回数 | 2023年得票数 | 選挙時の党派 | 逝去時の会派 |
|---|---|---|---|---|
| 原口和人 | 6期 | 4,222票 | 自由民主党 | 緑水会議員団 |
原口和人氏は2023年市議選で4,222票を得て6期目の当選を果たしました。2026年4月6日に73歳で亡くなったため、現在の議席番号32は欠番となり、市議会は実数35人です。
原口和人氏と、福岡県議の原口剣生氏、久留米市長の原口新五氏との関係は、原口家とは何者か|原口久人から剣生・新五へ続く久留米政治の歴史で詳しく整理しています。
会派と政党は同じではない
久留米市議会の一覧を見るとき、最も混同しやすいのが「会派」と「政党」です。
政党は選挙や政治活動の基盤となる全国的、または地域的な組織です。一方、会派は議会内で政策、議会運営、人事などを調整するために議員がつくる集団です。
2023年市議選では、当選者36人のうち23人が無所属で立候補しました。しかし当選後は、その多くが、きずな、久留米たすき、立志会、みらい久留米、緑水会などの会派に所属しています。
反対に、政党公認で当選しても、政党名とは異なる会派に入る議員もいます。
- 自民党公認で当選した山田貴生氏は、きずな議員団に所属
- 自民党公認で当選した権藤智喜氏は、立志会議員団に所属
- 参政党公認で当選した長野哲氏は、立志会議員団に所属
公明党と日本共産党、日本維新の会は、政党名と議会内の会派・団体名がほぼ一致しています。しかし、それ以外の議員を政党名だけで分類すると、久留米市議会の実際の構成は見えません。
議会の動きを追うときに基準となるのは、選挙時の党派だけでなく、現在どの会派に所属しているかです。
会派は任期途中でも変わる
会派構成は、選挙から次の選挙まで固定されるものではありません。
久留米市議会の2026年3月定例会の一般質問表では、後藤敬介氏は立志会議員団として記載されていました。同年6月定例会の一般質問表では、大熊博文氏は久留米たすき議員団として記載されています。
しかし、2026年10月現在の公式名簿では、両氏は「改革の会」に所属しています。これにより、久留米たすきは6人、立志会は5人となりました。
過去の記事や選挙時の情報だけを見ると、現在の所属と食い違うことがあります。久留米市議会の勢力図を確認するときは、基準日を明示する必要があります。
会派ごとの政務活動費については、久留米市議会の政務活動費はいくら返還されたのか|会派別返還率と所属議員一覧で整理しています。
最多は10期、1期目は7人
現職35人のうち、当選回数が最も多いのは緑水会の佐藤晶二氏で10期です。次いで、久留米たすきの甲斐田義弘氏が7期。6期は藤林詠子、永田一伸、大熊博文、石井俊一の4氏です。
一方、1期目の議員は次の7人です。
- 堀田洸太朗
- 長野哲
- 草場公晴
- 山崎ケブン
- 坂田光弘
- 生野薫
- 石田眞一郎
1期から3期までの議員は22人で、現職35人の6割を超えます。10期の最古参議員がいる一方、議会全体を当選回数だけで見れば、若い期数の議員が多数を占めています。
2023年市議選は48人が立候補、当落差はわずか2票
2023年4月23日の久留米市議選には、定数36人に対して48人が立候補しました。投票率は40.75%でした。
最も多く票を得たのは、日本維新の会の新人だった草場公晴氏の4,351票です。次いで原口和人氏が4,222票、そうだ耕一郎氏が3,382票でした。
一方、36位で当選した長野哲氏は1,647票。次点の名島成司氏は1,645票でした。
その差は、わずか2票です。
市議選では、数千票の差がなければ結果が動かないわけではありません。家族や知人の数票どころか、一つの世帯の投票行動が当落を変え得る差でした。
2027年の次回市議選を見るうえでは、上位当選者だけでなく、前回の当落線がどこにあったのかも重要です。
得票数だけでは議員の現在地は測れない
前回得票数は、各議員が選挙時にどれだけ支持を集めたのかを示す明確な数字です。しかし、得票数の多い順に議会内の影響力が決まるわけではありません。
議会では、当選回数、会派内の役職、議長・副議長、委員長、議会運営委員会での立場などが重なります。さらに、一般質問で何を取り上げたか、議案にどう賛否を示したかによって、議員の役割は変わります。
現在の議長は、きずな議員団の石井秀夫氏。副議長は、久留米たすき議員団の松岡保治氏です。
2026年9月25日に「福岡県政に対する信頼回復及び正常化を求める決議」が全会一致で可決された際も、重要なのは全会一致という結果だけではありません。どの会派がどの文言に合意し、その後に何を追跡するのかを見る必要があります。
この決議の内容と限界は、久留米市議会の「県政正常化」決議は何を変えるのか|筑後市より60日遅れた全会一致を検証で検証しています。
2027年市議選へ向けた基礎資料として
現在の任期は2027年5月1日までです。次の市議選では、現職のうち誰が立候補するのか、新人が何人出るのか、会派構成が選挙後にどう変わるのかが焦点になります。
そのとき比較の基準となるのが、現在の35人です。
- どの地域を地盤としているのか
- 市議会で何を質問してきたのか
- どの議案に賛成し、反対したのか
- どの会派に所属してきたのか
- 2023年は何票で当選したのか
議員の発言を自分で確認したい場合は、久留米市議会の会議録を見る方法を利用できます。映像で議会の様子を見る場合は、久留米市議会はインターネット配信している?で視聴方法を案内しています。
まとめ|久留米市議会は「36人の名簿」だけでは見えない
久留米市議会の定数は36人ですが、2026年10月現在の現職は35人です。
6人会派が三つ並び、単独で議会を動かせる会派はありません。選挙時に無所属だった議員の多くは、当選後に地域会派へ所属しています。任期途中の会派移動もあり、選挙時の党派だけでは現在の勢力図を読み取れません。
最古参は10期。1期目は7人。2023年市議選のトップ当選は4,351票で、最下位当選と次点の差は2票でした。
名前、会派、当選回数、得票数を同じ表に置くと、久留米市議会が一枚岩ではなく、経験年数も政治的なまとまりも異なる議員によって構成されていることがわかります。
この一覧は、議員を評価する結論ではありません。
誰が、どの立場から、久留米の何を議論しているのか。
2027年市議選まで、その動きを追うための出発点です。
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