福岡県久留米市に本部を置く指定暴力団・道仁会。その傘下組織として報じられているのが、福田組である。
福田組は、久留米市国分町に拠点を置く道仁会の二次団体とされる。近年では、福田組組長や幹部らの逮捕報道、事務所への家宅捜索などが伝えられてきた。また、道仁会そのものも2024年から2025年にかけて、福田憲一新会長による五代目体制へ移行している。
では、道仁会福田組とはどのような組織なのか。
最近起きた事件、国分町という場所、そして久留米という街にとっての意味を整理していく。
道仁会福田組とは何か
道仁会福田組とは、福岡県久留米市に本部を置く指定暴力団・道仁会の二次団体、つまり傘下組織として報じられている組織である。
一部の暴力団情報サイトなどでは、福田組は「二代目福田組」とされ、久留米市国分町に本部を置く道仁会の二次団体と紹介されている。
国分町は、久留米市中心部から少しだけ離れた地域だ。文化街のような歓楽街の中心ではなく、住宅地や生活道路、幹線道路につながる日常の生活圏に近い場所である。
筆者自身も、この事務所の前を通ることがある。大体、車が一台止まっていることはあるが、人の出入りを見かけたことはほとんどない。一見しただけでは、そこが暴力団事務所だとはわからない。
ここに、久留米における暴力団組織の見えにくさがある。
暴力団というと、夜の街や歓楽街の奥にあるものとして想像されやすい。しかし実際には、組事務所は必ずしも繁華街のただ中にあるわけではない。住宅地に近い場所、生活道路沿い、普段の暮らしの中に溶け込むような場所に存在していることもある。
福田組を見ることは、久留米の暴力団問題が文化街だけの話ではなく、生活圏とも地続きで存在してきたことを見ることでもある。
福田組の最近起きた事件
近年、福田組や道仁会系組織をめぐっては、複数の事件報道が出ている。
福田組組長らが恐喝の疑いで逮捕
報道によれば、道仁会傘下の福田組組長・三笠正貴容疑者、福田組幹部・山口圭一朗容疑者、福岡市博多区の無職の女のあわせて3人が、恐喝の疑いで逮捕された。3人は2023年2月、福岡県内の自営業男性2人を威圧し、借金名目で現金1200万円を脅し取った疑いがあるとされた。2025年1月、恐喝の疑いで逮捕された。警察は久留米市にある福田組の事務所などを家宅捜索している。
この事件では、「俺たちはケツもちしよるとぞ」などと迫ったとする内容も報じられた。「ケツもち」とは、一般に店や人物の後ろ盾、用心棒的な存在を意味する言葉として知られる。夜の街や暴力団をめぐる文脈で使われてきた言葉であり、久留米の歓楽街や裏の人間関係を考えるうえでも象徴的な言葉である。
この恐喝事件については、その後、福田組組長ら男女3人が不起訴処分になったとする情報もある。
道仁会系組員の覚醒剤所持事件
2026年4月には、道仁会系組員の浅木貴久容疑者(福岡県警の発表では「淺木貴久」表記)が、覚醒剤を含む白色結晶を所持した疑いで逮捕された。場所は久留米市内とされている。報道では、浅木容疑者が久留米市内のスーパーの従業員休憩室に侵入した疑いで現行犯逮捕され、その際に所持品から覚醒剤が見つかったとされる。
ただし、公式発表や一般報道では「道仁会傘下組織組員」とされており、福田組の組員であると確認できる情報までは出ていない。したがって、この事件を福田組の事件と断定することはできない。事件系サイトの一部では福田組組員とする記述もあるが、本記事では公式発表や一般報道で確認できる範囲にとどめる。
この事件の舞台は、スーパーという日常の場面である。久留米における道仁会系組織の存在が、文化街のような歓楽街だけではなく、住宅地や生活圏とも地続きであることを示している。
福田憲一五代目体制と福田組周辺の動き
道仁会では2024年5月、四代目・小林哲治会長から、五代目に指名された福田憲一理事長へ組織の実権が渡されたと報じられている。その後、2025年6月には福岡県公安委員会が、道仁会の代表者を福田憲一新会長へ変更したと官報で公示した。
この流れを見ると、道仁会はすでに五代目体制へ移行している。
福田組が五代目道仁会の中でどのような位置を占めているのか、外部から断定することはできない。しかし、五代目体制への移行後、福田組組長らの逮捕報道や、道仁会系組員をめぐる薬物事件報道が続いていることは事実である。
ここで「五代目の直系組織だから警察に狙われている」とまでは断定できない。警察の捜査方針や意図を外部から決めつけることはできないからである。
ただし、公開情報から言えるのは、五代目体制に移行した道仁会に対し、警察が動向を注視しているということ。そして、その中で福田組や道仁会系組織をめぐる報道が相次いでいるということである。
久留米にとって福田組とは何か
久留米にとって、道仁会は単なるニュース上の名前ではない。
久留米は、福岡市や北九州市ほど大きくはないが、筑後地方の中心都市であり、商業、医療、工業、歓楽街を抱える街である。文化街のような夜の街もあり、表の経済と裏の人間関係が交差してきた歴史がある。
もちろん、暴力団を美化する必要はまったくない。
暴力団が地域にもたらすものは、恐怖、搾取、沈黙、地域イメージの低下である。市民生活にとっても、地域経済にとっても、肯定される存在ではない。
しかし、存在しなかったことにしても街は読めない。
福田組という名前は、道仁会の現在を考える入口であり、久留米に残る暴力団の問題を見つめる手がかりでもある。
まとめ
道仁会福田組は、久留米市に本部を置く指定暴力団・道仁会の傘下組織として報じられている。
福田組は久留米市国分町に拠点を置く組織とされる。国分町は歓楽街ではなく、日常の生活圏に近い場所である。現地を通っても、一見して暴力団事務所とはわかりにくい。そこに、現在の暴力団組織の見えにくさがある。
近年の動きを整理すると、次のようになる。
・2025年、福田組組長らが恐喝の疑いで逮捕された
・福田組事務所が家宅捜索を受けた
・その後、不起訴処分になったとの情報もある
・2026年には、道仁会系組員の覚醒剤所持事件で道仁会系組事務所が家宅捜索された
・道仁会は2024年から2025年にかけて、福田憲一新会長による五代目体制へ移行した
福田組をめぐる報道は、単なる個別事件ではない。
そこには、五代目体制に移行した道仁会の現在と、久留米という街に残る暴力団の影が重なっている。
道仁会福田組という名前は、久留米の裏面史が現在と地続きであることを示す、ひとつの入口なのである。
道仁会は、久留米市に本部を置く指定暴力団であり、福岡県内の暴力団情勢を語るうえで避けて通れない存在である。
道仁会の歴史や久留米との関係については、別記事「道仁会とは何か」で詳しく整理している。
久留米を語るなら、ブリヂストンや石橋正二郎のような表の歴史だけでなく、文化街や道仁会のような裏の歴史も避けて通れない。
久留米最大の歓楽街である文化街の歴史や夜の街の構造については、別記事「久留米文化街とはどんな街か」で詳しく整理している。



