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連載小説

第九話 光の中の二人

鳥類センターの入り口は、家族連れでゆるく賑わっている。ベビーカー。小さな子ども。鳥の羽音。真依は笑う。「平和だね」その横顔を見ながら、男は思う。昨夜の彼女も真依だった。今、太陽の下で笑っている彼女も真依だ。どちらも嘘ではない。池の水面が光を...
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第八話 並んだままの朝

目が覚めたとき、最初に感じたのは静けさだった。夜は確かに越えたはずなのに、部屋の空気は思いのほか穏やかで、拍子抜けするほどだった。隣で、真依が眠っている。カーテンの隙間から光がもれる。白いシーツに、淡い線を引く。真依がゆっくり目を開ける。一...
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第七話 越えた夜の静けさ

六ツ門商店街から通りを一本入ると、人影はまばらになった。自動販売機の光が、二人の影を長く伸ばす。入口の前で、一瞬だけ足が止まったが、もうどちらも引き返す理由を探さなかった。パネルの前で部屋を選ぶ。エレベーターの中で、二人は小さく息を吐いた。...
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第六話 越える前の夜

「今日は店の出勤がないんだよね」真依が、そう言った。それ以上の説明はなかったが、男はその一言で十分だった。だから、急ぐ理由もなかった。帰らなければならない理由も、引き止める口実も、必要なかった。西鉄久留米駅で待ち合わせて、いつもより少し遅い...