福岡県議会議員の桐明和久氏とは、どのような人物なのでしょうか。
桐明氏は八女市・八女郡選出の自民党県議で、2026年9月現在、当選4回。2022年6月から2023年4月まで、第72代福岡県議会議長を務めました。
その経歴をたどると、県議になる前は八女市の建設会社「桐明組」を経営していたことが分かります。現在の桐明組も、道路や河川、農道などの公共工事を手がけています。
さらに桐明氏は、隣接する筑後市選出だった蔵内勇夫氏から長年指導を受け、3期目での議長就任についても蔵内氏に支えられたと自ら説明しています。県議、建設会社、公共事業、蔵内氏、ワンヘルス。これらの接点を公開資料から整理します。
桐明和久とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 桐明和久(きりあけ・かずひさ) |
| 生年月日 | 1958年10月3日 |
| 出身 | 福岡県八女市柳島 |
| 選挙区 | 八女市・八女郡 |
| 会派 | 自民党県議団 |
| 当選回数 | 4回 |
| 主な経歴 | 株式会社桐明組代表取締役社長、第72代福岡県議会議長 |
| 現在の所属 | 農林水産委員会、スポーツ立県調査特別委員会 |
桐明氏の公式プロフィールによると、八女市立見崎中学校、福岡県立福島高校普通科を卒業。1981年に熊本工業大学土木工学科(現在の崇城大学)を卒業。同年、桐明組へ入り、1987年に専務、1988年に代表取締役社長へ就任しました。
その一方で、八女青年会議所では第35代理事長を務め、福岡ブロック協議会長やPTA関係の役職も経験しています。会社経営だけでなく、地域団体や教育関係の活動を通じて人脈を広げてきた経歴です。
2011年の福岡県議選で初当選し、2023年の県議選では1万3,247票を得て4期目に入りました。現在も八女市・八女郡を地盤とする自民党県議です。
八女の建設会社・桐明組から政治へ
桐明氏の政治家としての出発点を考えるうえで、桐明組は外せません。
桐明組の公式サイトによると、同社は1965年に創業し、1987年に株式会社となりました。1992年には生コン工場を新設しています。現在の本社は八女市柳島にあり、代表取締役社長は桐明和広氏です。資本金は3,600万円。土木工事、生コンクリートの製造・販売、産業廃棄物のリサイクルなどを事業としています。
同社の採用情報では、道路の新設・改修、河川改修、上下水道などの公共工事を業務として明記しています。従業員は土木部12人、生コン事業部4人の計16人です。一方、売上高は2022年6月期で8億8,000万円とされています。少人数の地場企業ですが、公共工事と生コンクリート事業を合わせて一定の事業規模を持つ会社であることが分かります。
つまり、桐明氏は地域のインフラ工事を担う会社の経営者から、県の予算や条例を審議する県議へ転じた人物です。この二つの経歴が同じ八女という地域で重なっている点は、桐明氏を理解するうえで重要です。
現社長・桐明和広氏との関係
桐明和久氏の公式プロフィールでは、本人が桐明組の代表取締役社長を務めた経歴が確認できます。
一方、現在の会社公式サイトでは、桐明和広氏が代表取締役社長です。
さらに福岡県の政治団体名簿では、「きりあけ和久後援会」の代表者が桐明和久氏、会計責任者が桐明和広氏となっています。
会社経営だけでなく、政治活動を支える組織でも両氏の接点が確認できます。
桐明組が受注した公共工事
桐明組が公共工事を事業の一つとしていることは、会社側の説明だけでなく、八女市や福岡県が公表した入札・契約資料でも確認できます。
公開資料から確認できた代表例は次の通りです。
| 契約・入札日 | 発注者 | 工事名 | 工事場所 | 契約金額 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年1月31日 | 八女市 | 令和5年災第2号準用河川広川河川災害復旧工事 | 八女市上陽町下横山 | 3,256万円 |
| 2024年10月4日 | 福岡県筑後農林事務所 | 農道工事(柳島1) | 八女市柳島 | 4,147万円 |
| 2025年8月25日 | 福岡県八女県土整備事務所 | 県道久留米立花線星野川橋橋梁下部工(A1)工事 | 八女市祈祷院 | 8,393万円 |
| 2026年8月31日 | 福岡県 | 清王地区ため池工事 | 八女市本 | 6,523万円 |
この一覧は、公開資料で確認できた受注例であり、同社の公共工事受注の全件や総額を示すものではありません。
それでも、桐明組が八女市や福岡県から、河川、農道、県道橋梁、ため池といった地域インフラ工事を受注している実態は分かります。
桐明氏の選挙区と、同氏が経営していた会社の主要な事業地域は重なっています。
確認できる事実は、桐明氏がかつて同社を経営していたこと、現在も同社の現社長が後援会の会計責任者を務めていること、そして同社が県や市の公共工事を受注していることです。
第72代福岡県議会議長を3期目で務めた
桐明氏は2022年6月、第72代福岡県議会議長に就任しました。当時は県議3期目で、任期は2023年4月まででした。
それまでにも、農林水産委員会委員長、広域・先端行政調査特別委員会委員長、議会運営委員会委員長などを歴任しています。県議会の常任委員会だけでなく、議会運営を調整する役職を重ねたうえで議長に就いたことになります。
議長は県議会を代表し、議事運営や対外活動を担う立場です。3期目での就任は、桐明氏が八女の一県議にとどまらず、自民党県議団と県議会の内部で一定の位置を占めていたことを示しています。
福岡県議会の議長人事がどのように決まるのかについては、福岡県議会議長選の構図を整理した記事でも詳しく扱っています。
蔵内勇夫氏との関係
桐明氏と蔵内勇夫氏の関係は、単に同じ自民党県議団に所属していたというだけではありません。
蔵内氏は筑後市選出、桐明氏は八女市・八女郡選出で、両選挙区は隣接しています。2026年8月のインタビューで桐明氏は、県議になった当初から蔵内氏に一つずつ教えられ、何度も助けてもらったと説明しました。さらに、県議選を控えた3期目で議長職に就けたことについても、蔵内氏との関係を自ら語っています。
また桐明氏によると、蔵内氏は自身が退いた後、県南地域のために桐明氏と板橋聡氏に頑張ってもらいたいとの考えを示していました。
ここから確認できるのは、両氏が「隣の選挙区の同僚」という関係を超え、指導する側と支えられる側という関係を築いていたことです。桐明氏の議長就任を考えるうえでも、蔵内氏の存在は無視できません。
蔵内氏の経歴と県政での位置については、蔵内勇夫とは何者かで整理しています。また、県議会や市町村、経済界を横断する人脈については、九州の自立を考える会とはもあわせて読むと関係が見えやすくなります。
桐明和久氏とワンヘルス
桐明氏は議長在任中、ワンヘルスを福岡県の重要政策として明確に支持していました。
2023年3月、全国都道府県議会議長会に寄せた文章で、桐明氏は「ワンヘルスの世界的先進地を目指して」と題し、2020年の福岡県ワンヘルス推進基本条例、2022年の実践促進条例、FAVAの大会や福岡オフィスの開設に触れています。
その文章では、当時FAVA会長だった蔵内氏の名前も示されています。桐明氏は、蔵内氏が中心となって進めてきたワンヘルスを、福岡県議会議長として県内外へ発信する立場にありました。
両氏の関係は、個人的な指導関係だけではなく、福岡県が重点化した政策を進める側でも重なっていたことになります。
蔵内氏とワンヘルスをめぐる団体の重なりは、蔵内勇夫氏とワンヘルス関連団体で時系列に整理しています。
まとめ|桐明和久氏を見ると八女の政治と公共事業が重なる
桐明和久氏は、八女市の建設会社・桐明組を経営した後、2011年に福岡県議へ初当選し、3期目で第72代福岡県議会議長を務めた政治家です。
現在の桐明組は桐明和広氏が経営し、県や八女市の公共工事を受注しています。和広氏は、きりあけ和久後援会の会計責任者でもあります。
政治面では、蔵内勇夫氏から長く指導と支援を受けた関係を桐明氏自身が認めています。議長在任中には、蔵内氏が推進してきたワンヘルスを県議会の立場から発信しました。
公開資料から見えるのは、八女の建設会社、県議会での役職、公共工事、後援会、そして蔵内氏を中心とする県南の政治人脈が、桐明氏という一人の政治家の周囲で重なっている構図です。
その重なりだけで不正や癒着を断定することはできません。しかし、県の予算を審議する政治家と公共工事を担う企業との距離が近いからこそ、入札過程、契約内容、政治資金、人事の透明性を継続して確認する必要があります。
桐明和久氏を知ることは、一人の県議の経歴を知るだけではありません。八女の地域経済と福岡県政が、どこで接続しているのかを読むことでもあるのです。
