福岡県議会の横尾政則氏は、鳩山邦夫氏と鳩山二郎氏の秘書を経て、2023年に初当選した県議です。選挙区は小郡市・三井郡で、小郡市と大刀洗町を代表しています。
県議になるまでには、一度落選しています。2019年、定数1の選挙区で井上忠敏氏と争い、618票差で敗れました。2023年には定数が2へ増え、両氏がそろって当選しています。
横尾氏を知る手がかりは、鳩山家の秘書としての経歴と、井上氏との選挙、そして初当選後の自民党県議団での活動です。
この歩みをたどると、小郡・大刀洗の県議選が、県南の国政人脈や県議会の会派構成とどうつながっているのかが見えてきます。
横尾政則氏のプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 横尾政則(よこお・まさのり) |
| 生年月日 | 1976年10月19日 |
| 出身地 | 佐賀県小城市(2019年選挙公報による) |
| 出身高校 | 佐賀学園高校 |
| 選挙区 | 小郡市・三井郡(小郡市・大刀洗町) |
| 初当選 | 2023年4月9日の福岡県議選 |
| 当選回数 | 1回 |
| 所属会派 | 自民党県議団 |
| 主な前職 | 鳩山邦夫氏の私設秘書、鳩山二郎氏の公設第一秘書 |
| 所属委員会 | 商工労働委員会副委員長、再生可能エネルギー等調査特別委員会 |
生年月日、会派、当選回数、委員会は県議会公式プロフィール、出身地や学歴、秘書歴は本人の選挙公報に基づきます。会派と委員会は2026年10月1日に確認した情報です。
2019年の選挙公報には、法政大学法学部の通信課程で3年次を修学中と記載されています。その後の卒業を確認できる資料は見当たらず、確認できる大学歴は当時の在学情報です。
鳩山邦夫氏の私設秘書11年、鳩山二郎氏の公設第一秘書2年
横尾氏の政治経歴の出発点は、鳩山家の秘書です。
2019年の選挙公報では、鳩山邦夫氏の私設秘書として11年間、その後、鳩山二郎氏の公設第一秘書として2年間勤務したと説明しています。県議選へ挑戦する前に、計13年間の秘書経験を持っていたことになります。
邦夫氏の私設秘書から、二郎氏の公設第一秘書へ。父と息子の両方を支えた経歴は、横尾氏が鳩山家の政治活動に長く関わってきたことを示しています。
県議としては1期目ですが、政治の世界に入ったのが2023年というわけではありません。国会議員の側で経験を積んだ後、自ら地域の代表を目指した人物です。
鳩山家が久留米・筑後地方に政治地盤を持つ背景には、石橋家との歴史的なつながりがあります。その経緯は「鳩山家と石橋家の関係とは|石橋正二郎の功績はなぜ福岡6区の地盤になったのか」で整理しています。
また、二郎氏が国政へ進出した2016年の福岡6区補選は、県内の保守勢力の関係を考えるうえで重要な選挙でした。その構図は「蔵内勇夫はなぜ鳩山二郎に対抗したのか|麻生太郎も絡んだ2016年福岡6区補選」をご覧ください。
2019年、井上忠敏氏に618票差で落選
横尾氏が福岡県議選へ挑戦した2019年、小郡市・三井郡選挙区の定数は1でした。
立候補したのは、自民党公認の現職・井上忠敏氏と、無所属新人の横尾氏の2人です。結果は、井上氏16,104票、横尾氏15,486票。差は618票でした。
当時、横尾氏が公明党の推薦を受け、現職の自民党国会議員を背景に選挙戦を展開したと報じています。現小郡市長や前市長も新人候補の応援に入ったとし、この争いを保守分裂の選挙として捉えていました。
井上氏は古賀誠氏の元秘書で、横尾氏は鳩山家の元秘書です。両氏の経歴を重ねると、同じ地域の県議選でも、それぞれ異なる国政政治家とのつながりを持っていたことが分かります。
2023年、定数が2へ増えて初当選
2023年の県議選では、選挙の条件が変わりました。小郡市・三井郡選挙区の定数が、1から2へ増えたのです。
県議会は2022年に定数・選挙区に関する条例を改正し、2023年の一般選挙から新しい区割りと定数を適用しました。横尾氏の初当選は、この制度変更後の選挙によるものです。
2019年と2023年を並べると、次のようになります。
| 選挙 | 定数・候補者数 | 井上忠敏氏 | 横尾政則氏 |
|---|---|---|---|
| 2019年4月7日 | 定数1・候補2人 | 16,104票で当選 | 15,486票で落選 |
| 2023年4月9日 | 定数2・候補3人 | 10,686票で当選 | 8,331票で初当選 |
2023年は、井上氏と横尾氏のほか、三笘良夫氏が立候補し、6,710票を得ました。横尾氏は3候補のうち2位となり、議席を獲得しています。
2019年には一つの議席を争った2人が、2023年には同じ選挙区の代表として県議会に入ったことになります。横尾氏の当選までの経緯を見ると、本人の選挙活動だけでなく、定数の変化が地域の代表構成を変えたことも分かります。
無所属で立候補し、当選後は自民党県議団へ
横尾氏は、2019年も2023年も、無所属として立候補しました。しかし現在の県議会公式プロフィールに記載されている所属会派は、自民党県議団です。
改選後の会派再編は、自民党の単独過半数をとるための再編だったともいえます。同じ時期、井上氏も緑友会から自民党県議団へ復帰しました。
小郡市・三井郡では、かつて選挙で争った井上氏と横尾氏が、現在は同じ会派に所属しています。選挙の対立構図と、その後の議会での所属を続けて見ると、地域政治の関係が固定されたものではないことが分かります。
2023年の他会派からの自民党県議団入りの会派再編の背景については、「井上忠敏とは何者か|古賀誠の元秘書、緑友会を率いた小郡の7期県議」で詳しく整理しています。
一般質問は教育、交通、防災など地域の課題が中心
2023年の選挙公報で、横尾氏は国・県・市・町が連携する県政を掲げ、高齢者支援、子育て、教育、農業、都市計画、防災を政策の柱としていました。
県議会の公式中継サイトで確認できる一般質問にも、学校や道路、交通、防災など、日々の生活に関わるテーマが並びます。
| 質問日 | 主なテーマ |
|---|---|
| 2023年6月16日 | 学校教育でのICT活用 |
| 2023年12月12日 | 地域鉄道の維持 |
| 2024年3月6日 | 大型商業施設開店後の渋滞対策 |
| 2024年9月18日 | 通学路の交通安全 |
| 2024年12月11日 | 災害時のファーストミッションボックスの普及 |
| 2025年2月14日 | 親元で就農する人への支援 |
| 2025年9月19日 | 河川・道路の草刈り |
| 2026年3月6日 | 受動喫煙対策 |
| 2026年6月18日 | 熱中症対策 |
質問テーマから見ると、横尾氏は教育・交通・農業・防災といった、地域で暮らすうえでの具体的な課題を県政に持ち込んできたと読めます。
2026年、蔵内勇夫議長への辞職勧告の採決中止に賛成
横尾氏の議会での行動として、2026年8月17日の臨時会も記録しておく必要があります。
この日、蔵内勇夫議長に対する議長職の辞職勧告決議案が提出されました。しかし、自民党県議団の林泰輔氏が採決を中止する動議を提出し、49人の賛成で採決は行われませんでした。
TNCは、動議の採決時に起立した議員を記者が議場で確認し、賛成者の氏名を公表しています。その一覧には、横尾氏と井上氏の両方が載っています。
横尾氏が賛成したのは、辞職勧告決議案そのものではなく、その採決を中止する動議です。 結果として、議長の進退について各議員が賛否を示す決議案の採決は見送られました。
横尾氏本人が採決中止に賛成した理由を詳しく説明した資料は、今回確認した公開情報では見当たりませんでした。
福岡県議会の金銭授受疑惑の経緯と登場人物については「福岡県議会の金銭授受疑惑をわかりやすく解説|誰が誰にいくら渡したのか」で整理しています。
まとめ|鳩山家の秘書から、小郡・大刀洗の代表へ
横尾政則氏は、鳩山邦夫氏と鳩山二郎氏の秘書を務めた後、福岡県議へ転じた人物です。
2019年は井上忠敏氏と一議席を争って落選しました。2023年には定数が2へ増えた選挙で初当選し、井上氏とともに自民党県議団に所属しています。
横尾氏の歩みには、国会議員秘書から地方議員へ進む経路と、選挙区の定数変更、当選後の会派再編が重なっています。人物の経歴と選挙制度、議会内の所属をつなげて見ることで、小郡・大刀洗の政治が県南の保守政治の中にどう位置するのかが見えてきます。
一般質問では、教育や交通、防災など地域生活に関わる課題を扱ってきました。2027年の県議選を見据える際には、こうした取り組みの進展と、重要な議会判断についての説明を追っていくことが、1期目の活動を評価する材料になります。
筑後地方の他の現職県議については「筑後地方の現職県議一覧【2026年版】|選挙区・当選回数・会派・無投票歴」にまとめています。

