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栗原悠次とは何者か|八女茶農家から福岡県議になった農学博士

栗原悠次とは何者か まちと政治
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福岡県議会の八女市・八女郡選挙区から選出されている県議の一人が、栗原悠次氏です。

同じ選挙区の桐明和久氏が、建設業や八女市議会を経て県議となった人物であるのに対し、栗原氏の出発点は八女茶です。

八女市矢部村の茶農家に生まれ、東京農業大学大学院で緑茶の価格形成や消費者の選好を研究。家業の栗原製茶やJA青年部などで活動した後、2021年の福岡県議補欠選挙で初当選しました。

栗原氏とは、どのような経歴を持つ県議なのでしょうか。

八女茶農家、研究者、JA青年部、福岡県議へと続く歩みを整理します。

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栗原悠次のプロフィール

項目内容
氏名栗原悠次(くりはら・ゆうじ)
生年月日1977年3月10日
出身地福岡県八女市矢部村
出身高校福岡県立八女農業高校
出身大学東京農業大学
大学院東京農業大学大学院農学研究科
学位博士(農業経済学)
職歴茶農家、栗原製茶
資格日本茶インストラクター
選挙区八女市・八女郡
当選回数2回
選挙時の党派福岡県農政連
会派緑友会
現在の役職緑友会会長、厚生環境委員会、スポーツ立県調査特別委員会

栗原氏は2026年9月現在、福岡県議会の一人会派である緑友会の会長を務めています。

選挙では福岡県農政連の公認候補として立候補していますが、県議会では自民党県議団には所属していません。

八女市・八女郡選挙区選出の2期目の県議になります。

八女市矢部村の茶農家に生まれる

栗原氏は、現在の八女市矢部村に生まれました。

矢部村は2010年、黒木町、立花町、星野村とともに八女市へ編入されています。現在は八女市の一部ですが、栗原氏が生まれ育った当時は八女郡矢部村でした。

実家は、矢部村で三代にわたり茶づくりを続けてきた栗原製茶です。

栗原製茶の公式サイトでは、栗原悠次氏は長男として紹介され、農学博士、日本茶インストラクターという経歴が掲載されています。弟の栗原昭夫氏は茶畑の育成や製茶を担当し、手もみ茶の技術でも実績を重ねています。

栗原氏は、政治家になる前から八女茶の生産、研究、販売に携わってきた人物です。

単に「実家が茶農家」というだけではありません。茶をつくる生産者であると同時に、茶が消費者にどのように評価され、どのような価格で取引されるのかを研究してきました。

東京農業大学大学院で緑茶の価格を研究

栗原氏は矢部小学校、矢部中学校、福岡県立八女農業高校を経て、1999年に東京農業大学を卒業しました。

その後、東京農業大学大学院農学研究科へ進み、2005年に博士号を取得しています。

大学院時代には、2002年に「緑茶の商品属性における消費者の選好評価」、2004年には田中裕人氏との共著で「緑茶におけるヘドニック価格関数の推定」を発表しました。

ヘドニック価格関数とは、商品の産地、品質、製法、評価などの違いが、価格にどのように反映されているかを統計的に分析する方法です。

栗原氏は20代の頃から、緑茶を生産技術だけでなく、消費者の評価や市場価格からも研究していたことになります。

2004年の論文は、日本農業経営学会の受賞一覧にも掲載されています。

八女茶を守るというだけでなく、八女茶が市場でどのように評価されるのかを研究してきた点に、栗原氏の特徴があります。

栗原製茶とJAで地域活動を重ねる

大学院修了後は八女へ戻り、家業の栗原製茶に携わりました。

その一方で、商工会やJA、青年会議所など、地域の農業や商工業に関係する団体でも活動しています。

主な経歴は次の通りです。

  • 2011年 八女市商工会青年部部長
  • 2012年 第58回JA全国青年大会「JA青年の主張」で全中会長賞
  • 2015年 八女青年会議所副理事長
  • 2017年 JAふくおか八女青年部委員長
  • 八女市消防団員
  • 矢部村観光協会副会長
  • 日本茶インストラクター協会福岡県支部理事

政治家の秘書や市議会議員を経て県議になったのではなく、茶農家とJA、商工会などでの地域活動から県政へ進んだ経歴です。

とりわけ農業者を政治面から支える福岡県農政連との関係が、県議選への立候補につながりました。

2021年の県議補選で無投票初当選

栗原氏が初当選したのは、2021年4月の福岡県議会議員補欠選挙です。

八女市・八女郡選挙区では、県議だった野田稔子氏が2020年の八女市長選へ立候補するため辞職し、欠員が生じていました。

補欠選挙には、福岡県農政連の新人として栗原氏だけが立候補しました。そのため投票は行われず、無投票で初当選しています。

当時の肩書は「製茶業」でした。

栗原氏にとっては、選挙戦を経験しないまま始まった県議生活でしたが、2023年の県議選では桐明和久氏、青木剛志氏との選挙戦になりました。

2023年県議選では9314票で再選

2023年の八女市・八女郡選挙区は、定数2に対して3人が立候補しました。

候補者党派八女市広川町合計
桐明和久自由民主党10,716票2,531票13,247票
栗原悠次福岡県農政連7,075票2,239票9,314票
青木剛志立憲民主党5,167票1,658票6,825票

栗原氏は9314票を獲得し、2位で再選しました。投票率は44.55%でした。

2023年の選挙では、福岡県農政連が栗原氏を全面的に支援しました。

関連記事:桐明和久とは何者か|八女の建設会社・桐明組と蔵内勇夫との関係

県議会でも八女茶と農業を取り上げる

栗原氏は県議就任後も、八女茶や農業、中山間地域の課題を継続して県議会で取り上げています。

主な質問は次の通りです。

  • 2021年6月 コロナ禍における八女地域の農産物振興
  • 2021年9月 八女地域の豪雨に対する福岡県の対応
  • 2022年9月 過疎地域の集落機能維持と交通対策
  • 2024年2月 クマなどの鳥獣被害対策
  • 2024年6月 福岡県内の農業高校
  • 2024年12月 高温化に対応した農業生産と農産物輸出
  • 2025年12月 抹茶の価格高騰下における八女茶の振興
  • 2026年3月 八女電照菊をはじめとする花き振興

このうち栗原氏の経歴と最も直接つながるのが、2025年12月の「抹茶の価格高騰下における八女茶の振興」です。

海外での抹茶需要が拡大するなかで、八女茶をどのように生産し、ブランドを守り、販路につなげていくのかという問題を県議会で取り上げました。

茶農家として生産現場を知り、大学院では緑茶の価格形成を研究した栗原氏にとって、八女茶は選挙区の特産品というだけではありません。

生産、販売、価格、地域雇用、中山間地域の維持までつながる、自身の政治活動の中心的なテーマです。

関連記事:福岡県議会をインターネットで見る方法

一人会派「緑友会」で活動

栗原氏は現在、県議会の一人会派である緑友会の会長を務めています。

選挙では福岡県農政連の公認を受けていますが、県議会最大会派の自民党県議団には所属していません。

2026年8月17日の臨時県議会では、蔵内勇夫議長に対する議長職辞職勧告決議案の採決を中止する動議に反対しました。

採決中止動議は賛成49、反対35で可決され、辞職勧告決議案そのものは採決されませんでした。栗原氏は、自民党県議団の多数とは異なる側に票を投じた県議の一人です。

八女市・八女郡選挙区では、桐明氏が自民党県議団、栗原氏が緑友会に所属しています。同じ選挙区から選出された保守系県議であっても、県議会で常に同じ行動を取っているわけではありません。

まとめ

栗原悠次氏は、八女市矢部村出身の福岡県議です。

その経歴の中心には、八女茶があります。

矢部村の茶農家に生まれ、八女農業高校から東京農業大学へ進学。大学院では緑茶に対する消費者の評価や価格形成を研究し、博士号を取得しました。

八女へ戻った後は、栗原製茶、JAふくおか八女青年部、商工会青年部などで活動し、2021年の県議補選で初当選。2023年には初めて選挙戦を経験し、9314票で再選しています。

栗原氏は、八女茶を外から応援する政治家ではありません。

生産し、販売し、研究した経験を持ったうえで、八女茶と農業、中山間地域の課題を県議会へ持ち込んでいる人物です。

桐明和久氏が旧八女市側の政治や建設業を背景に持つ県議であるのに対し、栗原氏は旧矢部村と八女茶、農業者団体を背景に持つ県議です。

二人の経歴を並べることで、八女市・八女郡選挙区に残る旧市・旧郡の地域構造と、現在の二つの政治基盤が見えてきます。

筑後地方の全県議(2026年版)については、こちらの記事で整理しています。

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