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井上寛県議とは何者か|創価大学卒、久留米市議から公明党筑後総支部長へ

福岡県議井上寛とは何者か まちと政治
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福岡県議会をめぐる問題が注目されるなか、久留米市・うきは市から選ばれた5人の県議が、それぞれどのような人物なのかも改めて問われています。

その一人が、公明党の井上寛(いのうえ・かん)県議です。

井上氏は2023年の福岡県議選に初めて立候補し、1万6,355票を獲得して2番手で当選しました。県議としては1期目ですが、政治家になる前には久留米市内のビルメンテナンス会社に勤務し、2019年から1期4年間、久留米市議を務めています。

現在は公明党筑後総支部長でもあります。

同じ選挙区には、父や弟も政治家である原口剣生県議や、元県議の父を持つ中村香月県議がいます。これに対し、井上氏の公開プロフィールから確認できるのは、会社員、久留米市議を経て県議へ進み、公明党の地域組織を担うようになった経歴です。

では、井上寛県議とは何者なのでしょうか。

経歴、選挙、公明党の県議候補の流れ、議会で取り上げてきた政策から整理します。

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井上寛県議のプロフィール

項目内容
氏名井上寛(いのうえ・かん)
生年月日1966年4月6日
年齢60歳(2026年9月現在)
出身福岡県久留米市
選挙区久留米市・うきは市
会派公明党
当選回数1回
学歴鳥飼小学校、江南中学校、明善高校、創価大学法学部法律学科
前職株式会社紅・総務経理部課長
主な政治歴久留米市議1期、福岡県議1期
党役職公明党筑後総支部長、福岡県本部幹事会幹事

井上氏は久留米市で4人兄弟の末子として生まれました。

久留米市立鳥飼小学校、江南中学校、福岡県立明善高校を経て、1993年に創価大学法学部法律学科を卒業しています。

中学校ではブラスバンド、高校ではオーケストラ部、大学では新世紀管弦楽団に所属し、トロンボーンを担当していました。

現在は久留米市大石町に住み、京町校区まちづくり委員会顧問、京町小学校学校運営協議会会長も務めています。

政治家になる前はビルメンテナンス会社の管理職

井上氏が政治家になる前に勤務していたのは、久留米市合川町に本社を置く株式会社紅(くれない)です。

同社は建築物の清掃・管理、空調機器の販売・修理・設置、人事管理や給与計算業務の受託などを行う会社です。

井上氏は建築物環境衛生管理技術者や清掃作業監督者として現場で働いた後、総務経理部課長を務めました。

政治家秘書や行政職員から政界に入ったのではなく、民間企業の現場と管理部門を経験した後、2018年に会社を退職し、翌年の市議選へ進んだ人物です。

井上氏はまた、障がいのある家族を持ち、さまざまな苦労を経験したことも公表しています。この経験は、その後の議会質問にも表れています。

2019年、久留米市議選で初当選

井上氏が初めて選挙に出たのは、2019年4月の久留米市議選です。

公明党公認で立候補し、2,402票を獲得。47人が36議席を争った選挙で26位となり、初当選しました。

市議時代の一般質問は、最初の2019年6月議会では地区防災計画、多様な避難者への対応、外国語教育を取り上げました。その後も、福祉避難所、障がい者支援、居住支援、不登校、ヒアリングフレイル、HPVワクチンなどを質問しています。

政治家としての出発点から一貫しているのは、防災、障がい、医療、教育など、生活上の困難を抱える人に関わるテーマです。

田中正勝県議の直接の後継者ではない

久留米の公明党県議として井上氏を見ると、田中正勝元県議の議席をそのまま引き継いだようにも見えます。

しかし、実際の経過はもう少し複雑です。

田中正勝氏は1995年から2019年まで、久留米市選挙区で6期24年にわたり県議を務めました。公明党の定年制により2019年で引退しています。

田中氏の直接の後任として2019年の県議選に立ったのは、井上氏ではなく吉田宣弘氏でした。

久留米における動き
2019年田中正勝氏が6期24年で引退。後任候補の吉田宣弘氏が県議に当選
2019年井上寛氏は同じ月の久留米市議選で初当選
2021年2月吉田氏が衆院比例九州ブロックで繰り上げ当選し、県議を辞職
2021年4月吉田氏の辞職に伴う補選で中村香月氏が無投票当選
2023年井上氏が久留米市・うきは市選挙区から県議選に出て初当選

吉田氏は2021年2月、遠山清彦氏の衆院議員辞職に伴い、2017年衆院選の比例名簿から繰り上げ当選しました。これに先立って県議を辞職しています。

その欠員を埋めたのは、同年4月の補欠選挙で無投票当選した中村香月氏でした。

井上氏はその間も久留米市議を務め、2023年の県議選で県政へ転じています。

2023年県議選は1万6,355票で2番手当選

2023年の福岡県議選から、従来の久留米市選挙区とうきは市選挙区は一つになり、「久留米市・うきは市選挙区」となりました。

それまで両選挙区を合わせて6人だった定数は5人に減少。8人が5議席を争いました。福岡県選挙管理委員会の選挙記録に基づく結果は次の通りです。

順位候補者党派得票数結果
1原口剣生自由民主党27,452票当選
2井上寛公明党16,355票当選
3新井富美子立憲民主党13,883票当選
4中村香月無所属13,462票当選
5江口善明無所属11,821票当選
6小河誠嗣無所属7,738票落選
7岸本善成日本維新の会4,648票落選
8細川博司無所属2,098票落選

投票率は36.79%でした。

井上氏は県議選への初挑戦で2番手に入りました。久留米市議選で得た2,402票から、県議選では1万6,355票へ大きく伸ばしています。

ただし、市議選と県議選では選挙区、定数、候補者、政党の選挙体制が異なります。この票差を、そのまま井上氏個人の支持者が増えた数字として見ることはできません。公明党公認候補として、久留米市とうきは市を合わせた選挙区全体で集めた票です。

同じ選挙区で3番手だった新井富美子県議、4番手だった中村香月県議、5番手だった江口善明県議とは、経歴も支持基盤も大きく異なります。

県議会では障がい、教育、医療、自殺対策を質問

井上氏は2023年6月、県議として初めての一般質問で「障がい者の65歳問題」を取り上げました。

障がい福祉サービスを利用してきた人が65歳になると、原則として介護保険サービスが優先され、利用者負担やサービス内容が変わる場合があります。制度の境目で生じる問題を、県議として最初の質問に選んだことになります。

その後の主な質問は次の通りです。

時期主なテーマ
2023年障がい者の65歳問題、7月豪雨、田主丸中央病院、県立高校の文理選択、教員の不適切指導
2024年県営住宅、ヒアリングフレイル、発達性読み書き障がい、巨大地震、難病支援、帯状疱疹ワクチン、不登校
2025年県立学校での自殺事案、介護人材、地域医療を守るための医療法人の事業承継
2026年自殺対策、市立特別支援学校

市議時代から続く障がい、聞こえ、不登校、防災のほか、県議になってからは学校での自殺事案や地域医療まで対象が広がっています。

本人が公表している家族の経験と、議会で選んできた政策テーマには、一貫したつながりが見えます。

実際の質問と答弁は福岡県議会の録画中継でも確認できます。視聴方法は、福岡県議会をインターネットで見る方法で詳しく紹介しています。

公明党筑後総支部長として地域組織を担う

井上氏は県議になった2023年、公明党筑後総支部副幹事長に就きました。2025年には筑後総支部長と福岡県本部幹事会幹事に就任しています。

県議としては1期目ですが、現在は公明党の筑後地域を担う立場です。

2026年9月現在、議会運営委員、農林水産委員会副委員長、空港・交通インフラ調査特別委員を務めています。さらに、第二次議会改革プロジェクトチームの幹事でもあります。

次の2027年福岡県議選についても、公明党は井上氏を久留米市・うきは市選挙区の予定候補として公認しています。

初当選時の一候補から、県議団と党の地域組織をつなぐ人物へ立場が変わりつつあります。

「九州の自立を考える会」の会員でもある

井上氏は、蔵内勇夫氏が長く会長を務めた「九州の自立を考える会」の会員名簿にも名前があります。

同じ久留米市・うきは市選挙区では、原口剣生、江口善明、井上寛、中村香月、新井富美子の現職県議5人全員が会員です。

自民党、公明党、新政会、旧民主県政県議団と所属会派は分かれていても、この団体では同じ会員としてつながっています。組織の成り立ちと県議会内の関係については、「九州の自立を考える会」とは何かで詳しく整理しています。

ただし、同じ団体の会員であることと、議会で同じ行動を取ることは別です。それが表れたのが、2026年8月17日の臨時会でした。

蔵内勇夫氏への辞職勧告「採決中止」には反対

2026年8月17日の福岡県議会臨時会では、蔵内勇夫議長に対する議長職の辞職勧告決議案が提出されました。

しかし、本案を採決する前に、自民党県議の林泰輔氏が採決中止を求める動議を提出。動議は賛成49、反対35で可決され、辞職勧告決議案そのものは採決されませんでした。

井上氏は、公明党県議団の他の9人とともに、この採決中止動議に反対しました。

久留米市・うきは市選挙区の5人では、原口剣生氏と江口善明氏が採決中止に賛成。井上寛氏、新井富美子氏、中村香月氏は反対側に回りました。

これは、井上氏が辞職勧告決議案そのものに賛成したという意味ではありません。本案は採決されなかったため、確認できるのは「議員ごとの判断を示す採決を中止する動議」に反対したことです。

井上氏は、海外視察基準の見直し、議員と県職員の旧来の慣行の見直し、政治倫理条例、議会の見える化も掲げています。

9月5日に地元の京町校区で開いた県政報告会でも、高額な海外視察費用、金銭授受疑惑、議員と県職員との関係について説明したと報告しています。

今後は、掲げた「開かれた議会」を、議会改革プロジェクトチームでどこまで制度にできるかが問われます。

井上寛県議とは何者なのか

井上寛氏は、久留米市で生まれ、明善高校、創価大学法学部を卒業し、地元企業の現場と管理部門で働いた後、久留米市議を経て県議となった人物です。

政治家としての経歴はまだ長くありません。

それでも、2023年県議選では初挑戦で2番手当選。現在は公明党筑後総支部長、県本部幹事会幹事を務め、2027年県議選の予定候補にも決まっています。

県議会では、障がい、教育、医療、自殺対策などを継続して取り上げてきました。一方で、現在は県議会全体の信頼回復と制度改革にも向き合う立場にいます。

確認できる経歴と議会行動から見るなら、井上寛氏は、民間企業での管理職経験と福祉・生活課題への関心を持ち、公明党の筑後地域を担うところまで進んだ1期目の県議です。

2027年県議選に向けては、1万6,355票で初当選した4年間に何を実現したのか。そして、県議会改革を言葉だけでなく、どのような制度として残すのかが評価の対象になります。


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