久留米市草野町草野にある草野歴史資料館を知っていますか?
江戸時代になると有馬家が入り久留米藩の藩主となりましたが、平安時代末期、ちょうど鎌倉時代が始まる頃から戦国時代までは、草野氏が筑後国司として久留米および筑後国を任されており、お城も久留米城が中心ではなく、草野町に発心城という草野氏のお城がありました。
今回は、そんな久留米の歴史を物語る草野歴史資料館を紹介します。
久留米市の草野歴史資料館とは
それでは、早速、草野歴史資料館がどのようなところかを見ていきましょう。
アクセス
住所は、〒839-0835 福岡県久留米市草野町411−1となっています。
先日紹介した世界のつばき館とスナノオ神社のちょうど中間あたりの場所にあります。
駐車場
道路を挟んで建物の目の前に、草野歴史資料館専用の駐車場があります。
入場料
無料です。
外観
現在の草野歴史資料館の建物は、元々は明治時代に建てられた草野銀行の建物だったそうです。
モダンな作りになっていて、目をひきます。
草野氏の歴史
草野歴史資料館では、草野町の歴史だけではなく、久留米や筑後地方の歴史を展示しています。
それと共に、草野氏の歴史を知ることができます。
草野氏の歴史を簡単に語りますと、以下のような流れになります。
久留米の武家で言いますと、久留米藩の有馬家が有名です。
有馬家は現在の兵庫県の一族で、江戸時代になって久留米藩主として久留米にやってきました。
それ以前は、草野氏が久留米を治めていたのです。
草野氏は、元々は現在の佐賀県にいた高木氏の一族でした。
平安時代末期、ちょうど鎌倉時代が始まる直前頃に草野にやってきて草野姓を名乗ります。
南北朝時代には、肥後の菊池氏と共に南朝側につきます。
その後、戦国時代に入ると、徐々に大友宗麟や薩摩の島津などに追い込まれていきます。
そして戦国時代に草野氏は滅亡することになりました。
草野氏と高良大社
久留米には高良大社があります。
草野氏が数百年にも及び久留米地方を治めていたとすると、高良大社と全くの無関係であるとは考えにくいところです。
高良大社の神とは、一体、誰なのかについては未だわかっていません。
今回、草野歴史資料館を訪れて、偶然の一致かもしれませんが、もしかしたらという発見をしました。
それは、元々、草野氏が高木氏であったことです。
以前、記事にも書きましたが、元々の高良大社の神は高樹神社であったとされています。
同じ「タカギ」というところが気になります。
高樹神社は本当は草野氏統治時代の「草野氏の神社」であった可能性もあります。※こう考えると、高良山の下に追いやられ修繕もされず朽ち果てている現在の様子も納得いきます。
まとめ
今回は、久留米市の草野歴史資料館を紹介しました。
草野歴史資料館は久留米市草野町草野にあります。
建物は明治時代に建てられた旧・草野銀行のものです。
草野町の歴史と共に、久留米を統治していた草野氏の歴史を通して、鎌倉時代から戦国時代までの数百年の歴史を詳しく知ることができます。
それにしても、もし現在でも草野氏の城であった発心城が残っていたならと思うと、残念でなりません。
少しでも形跡が残っていたなら、島原の乱の原城跡のように観光地になっていたかもしれません。
現在では草野氏が久留米にいたことを後世に語り継ぐのは草野歴史資料館しかありません。
是非、行ってみてください。
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