久留米市の地価は上昇を続けている。しかし、市内のすべての地域で土地の価格が上がっているわけではない。
西鉄久留米駅周辺やJR久留米駅周辺では、商業地の価格がこの5年間で大幅に上昇した。住宅地でも東和町や諏訪野町の上昇が目立ち、宮ノ陣町若松の工業地も高い上昇率を記録している。
その一方で、田主丸町や城島町の一部では下落が続く。
さらに2026年は、これまで上昇してきた地点にも変化が見えてきた。価格自体は上がっているものの、上昇率が縮小し始めているのである。
福岡県が公表した2026年の地価調査と過去5年間のデータを比較しながら、久留米市の商業地・工業地・住宅地の動向を整理する。
あわせて、JR久留米駅前再開発との関連、田主丸町の豪雨災害、そして金利上昇が今後の地価に与える影響についても考えてみる。
久留米市の地価は2026年も上昇、ただし地域差がある
福岡県が2026年9月に公表した地価調査は、同年7月1日時点の土地価格を不動産鑑定士の評価に基づいて判定したものである。
久留米市の調査地点は46地点。そのうち29地点で地価が上昇し、11地点が横ばい、6地点で下落した。
用途別に見ると次のようになる。
| 用途 | 上昇 | 横ばい | 下落 | 平均変動率 |
|---|---|---|---|---|
| 商業地 | 8 | 2 | 1 | +2.4% |
| 工業地 | 1 | 0 | 0 | +9.2% |
| 住宅地 | 20 | 9 | 5 | +1.0% |
| 合計 | 29 | 11 | 6 |
※平均変動率は用途別の調査地点について算出したもの。工業地は1地点のみである。
市全体としては上昇傾向にあるが、上昇している地点の多くは中心市街地や生活利便性の高い地域に集中している。
一方、下落した6地点は田主丸町と城島町にある。
なお、今回使用する「基準地価」は実際の土地売買価格そのものではない。また、毎年1月1日時点の「公示地価」とは調査時期が異なる。
以下では同じ7月1日時点の基準地価を、2021年から2026年までの6時点で比較する。
商業地の地価動向|西鉄久留米駅周辺は5年間で63.6%上昇
まず商業地から見ていく。
久留米市で特に大きな地価上昇が確認できるのが、西鉄久留米駅周辺の東町と、JR久留米駅周辺の城南町である。
一方、田主丸町の商業地は緩やかな下落を続けている。
商業地の2021〜2026年価格推移
| 年 | 東町38番44 | 城南町2番30 | 田主丸町田主丸 |
|---|---|---|---|
| 2021 | 214,000 | 164,000 | 31,600 |
| 2022 | 227,000 | 173,000 | 31,400 |
| 2023 | 249,000 | 185,000 | 31,400 |
| 2024 | 293,000 | 200,000 | 31,200 |
| 2025 | 325,000 | 216,000 | 31,000 |
| 2026 | 350,000 | 235,000 | 30,700 |
| 5年間の変動率 | +63.6% | +43.3% | -2.8% |
※単位は円/㎡。2021年と2026年の同一基準地を比較。
東町38番44の商業地は、2021年の21万4,000円から2026年には35万円へ上昇した。
5年間の上昇率は63.6%に達する。
2024年には前年比17.7%という大幅な上昇を記録し、2025年も10.9%、2026年も7.7%上昇した。
ただし、ここで注目したいのは2024年をピークに上昇率が縮小していることである。
価格は上がっているが、その勢いは以前より弱くなっている。
JR久留米駅周辺も大きく上昇
城南町2番30の商業地も、2021年の16万4,000円から2026年の23万5,000円へと上昇した。
5年間の上昇率は43.3%である。
こちらは2026年も前年比8.8%の上昇を記録しており、西鉄久留米駅周辺とは異なる動きが見られる。
同じ久留米市の商業地であっても、上昇率の推移には違いがある。
そして、この二つの駅周辺には共通する特徴がある。マンションをはじめとする住宅需要の存在だ。
田主丸町の商業地は下落
対照的なのが田主丸町田主丸の商業地である。
2021年に3万1,600円だった地価は、2026年には3万700円となった。
5年間で2.8%の下落である。
駅周辺の商業地では大幅な上昇が続く一方、旧町地域の商業地では価格が下がっている。
商業地の地価は、必ずしも店舗の売上や商店街のにぎわいだけで決まるものではない。
都市中心部ではマンション用地としての需要が価格を押し上げる一方、旧来の商業地域では店舗需要の減少や郊外型商業施設への消費の移動などが影響する。
田主丸町の商業地については、2024年の鑑定評価書でも、郊外型商業施設への商業重心の移動、空き店舗の存在、豪雨による浸水の影響が指摘されている。
工業地の地価動向|宮ノ陣町若松は5年間で59.3%上昇
続いて工業地である。
久留米市の2026年地価調査で工業地に分類される調査地点は、宮ノ陣町若松の1地点となっている。
宮ノ陣町若松の2021〜2026年価格推移
| 年 | 地価(円/㎡) | 前年比 |
|---|---|---|
| 2021 | 24,600 | +4.2% |
| 2022 | 25,800 | +4.9% |
| 2023 | 27,500 | +6.6% |
| 2024 | 31,800 | +15.6% |
| 2025 | 35,900 | +12.9% |
| 2026 | 39,200 | +9.2% |
2021年に2万4,600円だった地価は、2026年には3万9,200円へ上昇した。
5年間で59.3%の上昇である。
特に2024年には前年比15.6%という高い上昇率を記録した。
ただし、2025年は12.9%、2026年は9.2%と、こちらも上昇率は2年連続で縮小している。
工業地が上昇する背景としては、物流施設や工場用地の需要、交通アクセス、事業用地の供給状況などが考えられる。
久留米市は九州自動車道や鳥栖方面との交通上のつながりを持ち、物流・事業活動の立地条件を備えている。
ただし、宮ノ陣町若松の地価上昇が特定の企業進出や物流施設建設によって生じたと断定できるものではない。
また、工業地の調査地点は1か所であるため、市内すべての工業用地が同様に値上がりしていると解釈することはできない。
住宅地の地価動向|東和町は53.8%上昇、城島町浮島は14.1%下落
住宅地では、商業地以上に地域差が鮮明である。
中心部の東和町や諏訪野町では大幅な上昇が続いている一方、田主丸町や城島町の一部では下落が確認できる。
上昇している住宅地の2021〜2026年価格推移
| 年 | 東和町 | 諏訪野町・鞍打 | 城南町 | 三潴町高三潴 |
|---|---|---|---|---|
| 2021 | 169,000 | 73,800 | 106,000 | 25,500 |
| 2022 | 181,000 | 78,500 | 111,000 | 25,800 |
| 2023 | 200,000 | 84,500 | 118,000 | 26,500 |
| 2024 | 230,000 | 91,000 | 127,000 | 27,300 |
| 2025 | 248,000 | 97,500 | 132,000 | 27,800 |
| 2026 | 260,000 | 103,000 | 137,000 | 28,200 |
| 5年間の変動率 | +53.8% | +39.6% | +29.2% | +10.6% |
※単位は円/㎡。
東和町は2021年の16万9,000円から2026年には26万円へ上昇した。
5年間の上昇率は53.8%である。
諏訪野町の鞍打地区でも39.6%、城南町でも29.2%の上昇となった。
一方で、三潴町高三潴も5年間で10.6%上昇している。
つまり、旧町地域がすべて下落しているわけではない。
下落している住宅地の2021〜2026年価格推移
| 年 | 城島町浮島 | 田主丸町地徳 | 田主丸町船越 |
|---|---|---|---|
| 2021 | 9,900 | 8,600 | 11,000 |
| 2022 | 9,600 | 8,600 | 11,000 |
| 2023 | 9,300 | 8,600 | 11,000 |
| 2024 | 9,000 | 8,200 | 10,900 |
| 2025 | 8,700 | 8,100 | 10,800 |
| 2026 | 8,500 | 8,000 | 10,700 |
| 5年間の変動率 | -14.1% | -7.0% | -2.7% |
※単位は円/㎡。
このグラフでは2021年を100とした指数に換算することで、価格水準の異なる住宅地の変化を比較している。
東和町の指数は2026年に153.8となる一方、城島町浮島は85.9まで低下した。
地価が上昇する住宅地と下落する住宅地では、5年間で大きな差が生まれている。
特に城島町浮島は、2021年から2026年まで毎年下落している。
田主丸町地徳は2021〜2023年まで横ばいだったが、2024年から下落へ転じた。
この違いには、立地条件だけでなく、地域ごとの出来事が影響している可能性がある。
なぜ中心部の地価は上昇しているのか|再開発とマンション需要
ここまでの価格推移を見ると、西鉄久留米駅周辺とJR久留米駅周辺で大きな上昇が確認できる。
その要因として注目されるのが、マンション用地の需要である。
西鉄久留米駅周辺はマンション用地需要が地価を押し上げた可能性
福岡県不動産鑑定士協会は2024年の地価調査について、福岡都市圏と比べて割安感のある久留米市ではマンション用地需要が堅調で、西鉄久留米駅からJR久留米駅の間のマンション適地で地価上昇幅が拡大したと分析している。
さらに、中心商業地ではマンション用地需要との競合によって、地価の上昇幅が拡大したとも指摘している。
ここには重要な意味がある。
商業地の価格が上がっているからといって、商店街の売上や店舗の収益が大きく伸びているとは限らないということだ。
土地の利用価値が、商業施設としてだけでなく、住宅を建設する場所として評価されている可能性がある。
久留米市は2025年10月に西鉄久留米駅周辺整備構想を策定しているが、構想だけが2021年以降の地価上昇を生んだわけではない。
構想以前から続いてきたマンション需要と、駅周辺の交通・生活利便性をあわせて考える必要がある。
関連記事:久留米の再開発とは何か|西鉄・JR・商店街・合川から読む街の現在地
JR久留米駅前の再開発は地価上昇と関連するのか
JR久留米駅前では、第二街区第一種市街地再開発事業が進んでいる。
再開発では地上36階の建物に一般住宅343戸、シニア住宅115戸、合計458戸が整備される。
城南町の商業地が5年間で43.3%上昇したことは、駅周辺の土地需要の強さを示している。
再開発への期待が周辺地価の評価を高めた可能性は考えられるが、どの程度の上昇が再開発によるものなのか、直接的な因果関係は確認できない。
関連記事:JR久留米駅前のタワマンとは何なのか|343戸の建物が示す再開発の現在地
地価は上昇しても商業施設は縮小している
ここで興味深いのが、JR久留米駅前再開発の商業部分である。
2026年8月、再開発に伴う小売店舗面積が、当初計画の2,935㎡から1,644㎡へ約44%縮小される変更が明らかになった。
2026年の地価調査の基準日は7月1日であるため、この変更の公表はその後の出来事となる。
したがって、2026年の地価上昇をこの変更に結びつけることはできない。
しかし、長期的に考えると重要な問題がある。
駅周辺の土地価格が上がることと、駅前商業が活性化することは同じではない。
住居としての需要が高まることで地価が上昇する一方、商業機能の拡大は必ずしも進まない可能性がある。
これからのJR久留米駅前では、住宅の完成とともに、商業施設にどのような店舗が入り、人の流れがどう変化するのかが注目される。
関連記事:JR久留米駅前再開発の小売店舗面積が44%縮小|タワマン完成後、駅前はどうなるのか
田主丸町・城島町ではなぜ地価が下落しているのか
一方、地価が下落している田主丸町と城島町では、上昇地域とは異なる要因を考える必要がある。
田主丸町では2023年の豪雨災害も影響
2021〜2023年まで横ばいだった田主丸町地徳の住宅地は、2024年に下落へ転じた。
2023年7月には久留米市田主丸町を中心に大雨による土砂災害や浸水被害が発生している。
福岡県不動産鑑定士協会は2024年の地価調査で、田主丸町の住宅地や商業地の下落について豪雨災害の影響を指摘した。
2023年の地価調査基準日は豪雨発生前の7月1日であるため、2024年以降の地価には災害後の状況が反映されている。
ただし、2024年の価格下落をすべて豪雨によるものと判断することはできない。
もともとの住宅需要、地域人口、交通条件なども考慮する必要がある。
関連記事:久留米で浸水しやすい町はどこか|過去の水害とハザードマップで注意したいエリア
城島町浮島は豪雨以前から下落が続いている
城島町浮島の場合は、田主丸町地徳とは異なる。
2021年から2026年まで毎年下落しており、少なくとも今回の比較期間を通じて住宅地の価格が下がり続けている。
考えられる要因は、地域の住宅需要の弱さや、生活利便性、人口動態などである。
ただし、個別地点の下落を人口減少だけで説明することはできない。
田主丸町でも城島町でも、鉄道駅や生活施設との距離、住宅地としての環境、災害リスクなどを地点ごとに検証する必要がある。
また、浸水リスクが高い地域の地価が必ず下がるわけではない。利便性や住宅需要が強い場所では、災害リスクがあっても地価が上昇する場合がある。
関連記事:久留米市の浸水対策は本当に進んだのか|市長発言と2025年豪雨から考える
地価上昇の勢いは弱くなっているのか
5年間の価格上昇率を見ると、中心部では大きな上昇が確認できた。
しかし、2024年以降の前年比を並べると、変化が見えてくる。
| 地点 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|---|
| 東町38番44・商業地 | +17.7% | +10.9% | +7.7% |
| 東和町・住宅地 | +15.0% | +7.8% | +4.8% |
| 宮ノ陣町若松・工業地 | +15.6% | +12.9% | +9.2% |
| 城南町2番30・商業地 | +8.1% | +8.0% | +8.8% |
東町、東和町、宮ノ陣町若松では、2024年をピークに上昇率が2年連続で縮小している。
一方、JR久留米駅周辺の城南町では2026年の上昇率が前年を上回っている。
つまり、久留米市全体が一斉に減速しているわけではない。
重要なのは、地価の上昇が続いているかどうかだけでなく、上昇率が拡大しているのか、縮小しているのかを地点別に見ることである。
金利上昇で久留米市の地価は今後どうなるのか
もう一つ、これからの土地価格を考えるうえで無視できないのが金利上昇である。
日本銀行は2026年9月に政策金利を1.25%程度へ引き上げ、10月30日の金融政策決定会合でも据え置いた。
これまでの低金利環境は、住宅購入やマンション開発の資金調達を支えてきた。
金利が上昇すれば、住宅ローン利用者の返済負担が増え、土地を取得して開発する事業者にも金利負担が生じる。
住宅ローン金利の上昇は購入予算を圧迫する
例えば3,000万円を35年間、元利均等返済で借りる場合、適用金利が年1%と年2%では毎月の返済額が次のように変わる。
| 借入条件 | 毎月の返済額 |
|---|---|
| 年1.0% | 約84,700円 |
| 年2.0% | 約99,400円 |
| 差額 | 約14,700円増 |
※全期間同一金利・ボーナス返済なしの単純試算。諸費用などは含まない。
同じ住宅を購入する場合でも、金利が上がると毎月の負担は大きくなる。
その結果、購入できる住宅の価格帯を下げたり、購入そのものを見送ったりする人が増える可能性がある。
ただし、住宅ローン金利は政策金利と必ず同じ幅で動くわけではなく、変動型と固定型でも仕組みが異なる。
不動産業者の予測では上昇期待が後退
福岡県不動産鑑定士協会が2026年8月に公表した第23回福岡県不動産市況DI調査でも、変化が確認できる。
この調査は不動産関連事業者に、地価の実感と今後半年の予測を聞いたものである。
久留米市の地価動向DIは次のようになった。
| 地価動向DI | 前回調査 | 2026年7月調査 |
|---|---|---|
| 全体・過去半年の実感 | +51.7 | +38.5 |
| 全体・今後半年の予測 | +33.6 | +21.8 |
| 住宅地・今後半年の予測 | +28.0 | +14.5 |
| 商業地・今後半年の予測 | +40.0 | +29.8 |
DIは「上昇」と答えた事業者の割合から「下落」と答えた割合を引いた指数であり、実際の価格変動率ではない。
数値がプラスであることは、上昇を予想する回答が下落を予想する回答より多いことを意味する。
ただし、住宅地・商業地とも予測DIは前回調査より低下した。
つまり、2026年7月時点では依然として上昇予想が優勢だったものの、上昇への期待は弱まっている。
なお、この調査基準日は9月の追加利上げより前であるため、今回の金利引き上げが与える影響を直接測定したものではない。
2027年の久留米市の地価はどう動くのか
今後の地価について、地点ごとの上昇率や下落率を正確に予測することはできない。
しかし、これまでの推移と金利環境を踏まえれば、いくつかのシナリオを考えることはできる。
| 地域・用途 | 今後考えられる動き | 注目点 |
|---|---|---|
| 西鉄久留米駅周辺・商業地 | 上昇継続、鈍化の可能性 | マンション用地需要、開発採算 |
| JR久留米駅周辺・商業地 | 上昇継続の可能性 | 再開発の完成、駅周辺の土地需要 |
| 東和町・諏訪野町・住宅地 | 上昇率鈍化の可能性 | 住宅ローン金利、購入需要 |
| 宮ノ陣町若松・工業地 | 上昇継続、鈍化の可能性 | 産業用地需要、供給状況 |
| 三潴町・住宅地 | 緩やかな上昇〜横ばいの可能性 | 地域内の住宅需要 |
| 田主丸町・一部地域 | 横ばい〜下落の可能性 | 住宅・商業需要、災害の影響 |
| 城島町浮島・住宅地 | 下落継続のリスク | 長期的な住宅需要 |
※過去の地価推移と市況調査に基づく条件付きの見通しであり、公的な2027年地価予測ではない。
特に注目したいのは、金利上昇によってすべての土地の価格が一斉に下がるとは限らないことである。
住宅や商業施設の需要が強い立地では、借入金利が上昇しても土地の価格が維持される可能性がある。
一方、もともと需要が弱い地域では、購入者の資金負担が増えることで、価格に下押し圧力がかかる可能性がある。
今後の久留米市では、土地需要の強い場所と弱い場所の差がさらに明確になることも考えられる。
ただし、これは現時点での仮説であり、実際の動向を判断するには2027年以降の地価調査や不動産取引データを継続して確認する必要がある。
まとめ|久留米市の地価上昇は街全体の発展を意味するのか
2021年から2026年までの地価を比較すると、久留米市内の土地価格が大きく変化してきたことが分かる。
西鉄久留米駅周辺の商業地は63.6%、JR久留米駅周辺の商業地は43.3%上昇した。
住宅地でも東和町は53.8%、諏訪野町の一部は39.6%上昇している。
宮ノ陣町若松の工業地も59.3%の上昇となった。
その一方で、城島町浮島の住宅地は14.1%下落し、田主丸町でも下落が続く地点がある。
これらのデータから見えてくるのは、久留米市の地価が一様に上昇しているのではなく、地域や用途によって異なる動きをしているという事実である。
さらに近年は、中心部で上昇を続けてきた一部の地点でも上昇率が縮小している。
今後の金利上昇は、この変化をさらに進める可能性がある。
ただし、地価の上昇だけをもって、その地域が豊かになった、商業が活性化したと判断することはできない。
特にJR久留米駅前では、地価が上がる一方で再開発の小売店舗面積が縮小している。西鉄久留米駅周辺でも、商業地としての需要とマンション用地としての需要を区別する必要がある。
土地の価格が上がることと、街の暮らしや商業が豊かになることは必ずしも一致しない。
これからの久留米市にとって重要なのは、地価の上昇そのものではなく、その上昇が何によって生まれ、街に何をもたらすのかという点だろう。
そして、下落が続く地域では、なぜ土地需要が弱まり、今後の生活環境がどう変わっていくのかを見ていく必要がある。
地価は、街の現在地と将来を映し出す一つの指標なのである。
※2026年11月1日時点の公表資料に基づく。価格は各年7月1日時点。変動率は端数処理により表示価格からの単純計算とわずかに異なる場合がある。


