久留米市は、筑後地方の中心都市であると同時に、大学が集まる学術都市でもあります。
久留米大学、久留米工業大学、聖マリア学院大学。そして、筑後市の九州大谷短期大学。
これらの大学・短期大学は、単に学生が通う場所ではありません。医療、工学、看護、保育、文化、地域人材の育成を通じて、久留米・筑後地方の街の骨格を支えています。
この記事では、久留米市と筑後地方の大学・短期大学を一覧で整理しながら、それぞれの学校が地域の中でどのような役割を持っているのかを見ていきます。
久留米・筑後地方の主な大学・短期大学一覧
| 学校名 | 所在地 | 区分 | 主な分野 |
|---|---|---|---|
| 久留米大学 | 久留米市 | 私立大学 | 医学、文系、法学、経済、商学など |
| 久留米工業大学 | 久留米市 | 私立大学 | 工学、ものづくり、情報、建築など |
| 聖マリア学院大学 | 久留米市 | 私立大学 | 看護、保健、助産など |
| 九州大谷短期大学 | 筑後市 | 私立短期大学 | 幼児教育、表現、仏教など |
久留米市内だけで見ると、久留米大学、久留米工業大学、聖マリア学院大学の3校が中心になります。
さらに筑後地方まで視野を広げると、筑後市の九州大谷短期大学も重要な高等教育機関です。
久留米だけで完結するのではなく、筑後地方全体の教育地図として見ることで、この地域がどのように人材を育ててきたのかが見えてきます。
久留米大学|筑後地方最大級の総合大学
久留米大学は、久留米を代表する大学です。
医学部を持つ大学であり、旭町キャンパスには医療系の機能が集まり、御井キャンパスには文系学部が置かれています。久留米大学病院の存在も含めて、久留米の医療都市としての性格を支えてきた大学といえます。
一方で、久留米大学は医療だけの大学ではありません。文学部、法学部、経済学部、商学部などもあり、地域の行政、企業、教育、文化の分野にも多くの人材を送り出してきました。
久留米という街を考えるうえで、久留米大学は外すことができません。大学、病院、学生、教職員、卒業生。それらが長い時間をかけて、久留米の街の厚みをつくってきたからです。
関連記事:久留米大学とは|久留米の医療と学術を支える地域大学
久留米工業大学|ものづくりを支える工学系大学
久留米工業大学は、久留米市上津町にある工学系の大学です。
機械、交通機械、建築、情報、教育創造工学など、ものづくりや技術分野に関わる学びを中心にしています。久留米はブリヂストン創業の地であり、ゴム産業や製造業の歴史を持つ街でもあります。その意味で、工学系大学の存在は久留米の産業史ともつながっています。
地方都市にとって、技術系人材を育てる大学があることは大きな意味を持ちます。地域の企業、ものづくり、建築、情報分野と大学が結びつくことで、街の産業を支える人材が育っていくからです。
久留米工業大学は、久留米を「学術都市」として見るだけでなく、「ものづくりの街」として見るうえでも重要な存在です。
関連記事:久留米工業大学とは|久留米のものづくりを支える工学系大学
聖マリア学院大学|医療都市・久留米を象徴する看護系大学
聖マリア学院大学は、久留米市津福本町にある看護系の大学です。
久留米には、聖マリア病院という大きな医療機関があります。聖マリア学院大学は、その医療の現場と深く関わる形で、看護師、保健師、助産師などを目指す人材を育てています。
久留米を語るとき、医療は重要な柱です。久留米大学病院、聖マリア病院、地域の医療機関。その中で、聖マリア学院大学は医療人材を育てる教育機関として、街の医療基盤を支えています。
大学というよりも、久留米の医療文化の一部として見ると、その存在の大きさがよくわかります。病院があり、教育機関があり、そこで学んだ人材が地域の医療に関わっていく。聖マリア学院大学は、その循環の中にある大学です。
関連記事:聖マリア学院大学とは|久留米の看護と医療人材を育てる大学
九州大谷短期大学|筑後市にある地域密着型の短期大学
九州大谷短期大学は、筑後市にある短期大学です。
所在地は久留米市ではありませんが、筑後地方の高等教育機関としては重要な存在です。幼児教育、表現、仏教などの分野を持ち、保育や文化、地域教育に関わる人材育成を担っています。
久留米市内の大学だけを見ていると、どうしても医療や工学の印象が強くなります。しかし、筑後地方全体で見ると、幼児教育や文化表現を担う短期大学の存在も見落とせません。
九州大谷短期大学を含めることで、筑後地方の大学地図はより立体的になります。医療、工学、看護だけではなく、保育、表現、宗教文化といった分野も含めて、地域の学びが成り立っているのです。
関連記事:九州大谷短期大学とは|筑後市にある地域密着型の短期大学
筑後地方にあるその他の高等教育機関
久留米市と筑後市の4校以外にも、筑後地方には大学キャンパスや高等教育機関があります。
| 学校名 | 所在地 | 区分 | 備考 |
| 国際医療福祉大学 大川キャンパス | 大川市 | 大学キャンパス | 福岡保健医療学部、福岡薬学部など |
| 帝京大学 福岡キャンパス | 大牟田市 | 大学キャンパス | 福岡医療技術学部 |
| 久留米工業高等専門学校 | 久留米市 | 高専 | 工学系の高等専門教育機関 |
国際医療福祉大学大川キャンパスは、大川市にある医療福祉系の大学キャンパスです。看護、理学療法、作業療法、言語聴覚、医学検査、薬学など、医療専門職の養成に関わる学部・学科があります。
帝京大学福岡キャンパスは、大牟田市にあります。福岡医療技術学部を置き、地域医療を支える人材育成を行っています。
また、久留米市には久留米工業高等専門学校もあります。大学ではありませんが、機械、電気電子、制御情報、生物応用化学、材料システムなどの分野を持つ高等教育機関です。久留米の技術系人材を語るうえでは、列記しておきたい学校です。
かつて存在した大学・短期大学
現在は廃止された学校もあります。
久留米市には、かつて久留米信愛短期大学がありました。しかし、同短大は学生募集を停止し、その後、廃止されています。
また、みやま市には保健医療経営大学がありましたが、こちらもすでに閉校しています。
大学や短期大学は、街の風景そのものです。学校ができることで学生が集まり、街に若い人の流れが生まれます。一方で、学校がなくなることは、その地域の教育地図が変わることでもあります。
久留米信愛短期大学や保健医療経営大学の存在は、筑後地方の高等教育を考えるうえで、歴史として記録しておくべきものです。
久留米・筑後地方の大学が街にもたらすもの
大学は、学生が学ぶ場所であると同時に、街の未来をつくる場所でもあります。
久留米大学は、医療と文系教育を通じて、久留米の知的基盤を支えています。久留米工業大学は、工学とものづくりの分野で地域産業とつながっています。聖マリア学院大学は、看護や保健の分野で医療都市・久留米の一角を担っています。九州大谷短期大学は、筑後地方の保育、文化、表現教育を支えています。
さらに、大川市や大牟田市にも医療系の大学キャンパスがあり、久留米高専も技術系人材を育てています。
こうして見ると、筑後地方の高等教育は、医療、工学、看護、保育、文化、福祉、技術といった分野に広がっています。
それは派手な観光資源ではありません。しかし、街を長く支えるのは、こうした地味で厚い教育の基盤です。
まとめ|久留米は筑後地方の学術拠点である
久留米・筑後地方には、複数の大学・短期大学・高等教育機関があります。
中心となるのは、久留米大学、久留米工業大学、聖マリア学院大学、九州大谷短期大学です。
そこに、国際医療福祉大学大川キャンパス、帝京大学福岡キャンパス、久留米工業高等専門学校などを加えると、筑後地方には医療・工学・看護・保育・福祉・技術を支える学びの場が点在していることがわかります。
久留米は、商業都市であり、医療都市であり、工業都市でもあります。
そしてもう一つ、筑後地方の学術拠点でもあります。
大学を通して街を見ると、久留米という都市の別の輪郭が見えてきます。街は道路や建物だけでできているのではありません。そこに学び、人を育て、地域へ送り出す場所があることで、都市は静かに呼吸を続けているのです。


