久留米市には、久留米大学、久留米工業大学、聖マリア学院大学という複数の大学があります。
その中でも聖マリア学院大学は、聖マリア病院と深く結びついた看護系の大学です。
この記事では、聖マリア学院大学の歴史、現在の学び、そして久留米の医療を支える大学としての役割を整理します。
聖マリア学院大学はどこにある大学?
聖マリア学院大学は、福岡県久留米市津福本町にある看護系の私立大学です。
久留米市で「聖マリア」と聞くと、多くの人はまず聖マリア病院を思い浮かべるかもしれません。実際、聖マリア学院大学は聖マリア病院と歴史的にも深い関係を持つ大学です。
久留米大学医学部や聖マリア病院があることから、久留米は福岡県南部の医療拠点という性格を持っています。
聖マリア学院大学は、その医療都市としての久留米を教育面から支える存在だと言えます。
聖マリア学院大学の原点は聖マリア病院にある
聖マリア学院大学の歴史をたどると、その源流は聖マリア病院、さらにさかのぼれば大正4年に設立された井手内科医院にあります。
聖マリア学院大学の公式サイトでは、聖マリア学院の歴史の源泉は大正4年設立の井手内科医院に遡ると説明されています。
その後、井手一郎氏によって昭和28年、つまり1953年に聖マリア病院が創設されました。法人名の「雪ノ聖母会」は、病院を聖母マリアに捧げる意味から名づけられたものです。
ここで大事なのは、聖マリア学院大学が単独で突然できた大学ではないという点です。
病院があり、医療の現場があり、看護師を育てる必要があり、その流れの中で看護教育が発展していきました。
つまり聖マリア学院大学は、久留米の医療現場から生まれた大学だと言えます。
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看護教育は1973年から始まった
聖マリア病院の看護教育は、1973年に聖マリア高等看護学院が開学したところから本格的に始まります。
聖マリア病院の70周年記念サイトでも、1973年に開学した聖マリア高等看護学院が、その後、聖マリア看護専門学校、聖マリア学院短期大学を経て、聖マリア学院大学の開学へつながったと紹介されています。2023年には看護教育開始から50年の節目を迎えました。
この流れを見ると、聖マリア学院大学は「大学をつくるための大学」ではなく、「医療現場に必要な人材を育てるための教育機関」として発展してきたことがわかります。
久留米には大きな病院が複数ありますが、医療を支えるのは医師だけではありません。
看護師、助産師、保健師、医療スタッフ。
そうした人たちがいて、はじめて地域医療は成り立ちます。
聖マリア学院大学は、その中でも看護の人材育成に特化した大学です。
現在の聖マリア学院大学では何を学べるのか
現在の聖マリア学院大学は、看護学部看護学科を中心とする看護大学です。大学院の看護学研究科も設置されています。
看護大学というと、病院で働く看護師を育てる場所というイメージが強いかもしれません。
もちろんそれは中心です。
しかし、現代の看護は、病院だけにとどまりません。高齢化が進む中で、在宅医療、地域包括ケア、母子保健、慢性疾患への支援、災害医療、終末期医療など、看護の役割は広がっています。
実際、久留米の文化街で働いていた学生の中にも、将来は在宅医療に関わりたいと話していた人がいました。夜の街でアルバイトをしながら看護を学び、将来は地域の暮らしに近い医療へ進もうとしている。そういう姿を見ると、看護の役割が病院の中だけに収まらないことがよくわかります。
聖マリア学院大学は、聖マリア病院という大きな医療機関を背景に持ちながら、地域医療を担う看護職を育てる大学だと見ることができます。
建学の精神は「カトリックの愛の精神」
聖マリア学院大学の建学の精神は「カトリックの愛の精神」です。公式サイトでは、弱い人々のもとへ行き、弱い人々と共に歩むことがその精神として掲げられています。
これは、単なる学校の理念ではありません。
聖マリア病院そのものが、カトリック精神に基づく医療と教育の普及を基本指針としてきた歴史を持っています。
久留米の街にある医療機関や大学を見ていると、それぞれに違う性格があります。
久留米大学医学部は、大学医学部としての研究・教育・高度医療の拠点です。
聖マリア病院は、地域医療と救急医療の大きな柱です。
そして聖マリア学院大学は、その現場を支える看護教育の拠点です。
この三つを並べると、久留米が単なる地方都市ではなく、医療機能を持った街であることが見えてきます。
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聖マリア病院との関係が大学の特徴
聖マリア学院大学を理解するうえで、聖マリア病院との関係は外せません。
看護を学ぶ大学にとって、実習先や医療現場との距離は非常に重要です。教室で知識を学ぶだけでなく、実際の患者、病棟、医療チーム、地域医療の現場に触れることが看護教育には必要です。
聖マリア学院大学の場合、背景に聖マリア病院という大きな医療機関があります。
これは、大学の個性です。
久留米工業大学が自動車やものづくりと結びついているように、聖マリア学院大学は医療と看護の現場に近い大学です。
久留米の大学を見ていくと、それぞれが街の違う機能と結びついていることがわかります。
久留米大学は総合大学・医学部。
久留米工業大学は工学・ものづくり。
聖マリア学院大学は看護・地域医療。
この三つを見れば、久留米の街が持つ教育機能の広がりが見えてきます。
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久留米の医療都市としての顔
久留米は、商業、歴史、歓楽街、再開発だけで語れる街ではありません。
久留米大学病院があり、聖マリア病院があり、医療系の教育機関があります。筑後地方全体から人が集まる医療の拠点でもあります。
聖マリア学院大学は、その中で看護人材を育てる場所です。
病院があるだけでは、医療の街にはなりません。
そこで働く人を育てる仕組みがあって、はじめて医療の層が厚くなります。
聖マリア学院大学は、久留米の医療を静かに支えている大学です。
派手な大学ではないかもしれません。
しかし、地域にとって必要度の高い大学です。
まとめ|聖マリア学院大学は、久留米の医療を支える看護大学
聖マリア学院大学は、久留米市津福本町にある看護系の大学です。
その歴史は、聖マリア病院、さらに井手内科医院の時代にまでさかのぼります。聖マリア病院の看護教育は1973年に始まり、看護専門学校、短期大学を経て、現在の聖マリア学院大学へとつながってきました。
この大学は、単なる看護大学ではありません。久留米の医療現場から生まれ、久留米の医療を支える人材を育ててきた大学です。
病院の隣にある学びの場。
現場に近い看護教育。
地域医療を支える人材の出口。
そう考えると、聖マリア学院大学は、久留米という街の「医療を支える静かな土台」のような存在だと言えます。
聖マリア学院大学の背景にある聖マリア病院については、別記事で詳しく解説しています。病院の歴史や久留米における役割を知ると、この大学の位置づけもより見えやすくなります。

