スポンサーリンク

古賀篤とは何者か|福岡県連会長候補と古賀誠・林芳正・蔵内勇夫との接点

古賀篤とは何者か まちと政治
この記事は約8分で読めます。

2026年9月15日、自民党福岡県連の次期会長選をめぐり、福岡県選出の国会議員らが古賀篤衆議院議員を推す方針を固め、候補を一本化したと報じられました。

古賀氏は福岡3区選出の当選6回。久留米大学附設中学・高校から東京大学法学部へ進み、大蔵省・財務省に15年間勤務した元官僚です。

一見すると、県議会問題から距離のある実務型の国会議員が、傷ついた県連を立て直すために選ばれたように見えます。

しかし、古賀氏の経歴をたどると、古賀誠氏が率いた宏池会の流れ、林芳正氏への支持、さらに蔵内勇夫氏が進めてきたワンヘルスへとつながります。

古賀篤氏は、福岡県政と無関係な「外から来る改革役」ではありません。国政側から福岡県政へつながる、もう一つの政治的な線上にいる人物です。

この記事では、古賀篤氏の経歴と選挙、古賀誠・林芳正・蔵内勇夫各氏との接点、そして県連会長候補に選ばれた意味を整理します。

スポンサーリンク

古賀篤とは

古賀篤氏は、福岡県第3区を地盤とする自民党の衆議院議員です。

項目内容
氏名古賀篤(こが・あつし)
生年月日1972年7月14日
出身地福岡県福岡市
学歴久留米大学附設中学・高校、東京大学法学部
前職大蔵省・財務省職員
選挙区衆議院福岡3区
当選回数6回
主な役職総務大臣政務官、厚生労働副大臣、衆議院環境委員長、内閣府副大臣、自民党厚生労働部会長など
派閥旧岸田派(宏池会)、派閥解散後は無派閥

福岡3区は、福岡市早良区、西区、城南区の一部、糸島市からなる選挙区です。福岡都市圏の住宅地を抱える一方、糸島市の農林水産業も含む、都市部と郊外の両方を持つ地域です。

久留米大学附設から東京大学、大蔵省へ

古賀氏は福岡市に生まれ、久留米大学附設中学校・高等学校へ進みました。その後、東京大学法学部を卒業し、1997年に大蔵省へ入省しています。

財務省主計局主計官補佐や金融庁総務企画局政策課課長補佐などを務め、2012年5月に退職しました。官僚としての在職期間は約15年です。

公式プロフィールによると、1995年に会計士補、2019年に保育士、2025年に防災士の資格を取得しています。財政だけでなく、社会保障、子育て、防災へ活動分野を広げてきた経歴が表れています。

古賀氏は福岡市出身ですが、中学・高校の6年間を久留米で過ごした人物でもあります。

久留米大学附設が輩出した政治家や実業家については、「久留米大学附設中学・高校出身の有名人一覧」で紹介しています。

2012年に初当選し、福岡3区で6連勝

古賀氏は2012年12月の衆議院選挙で、福岡3区から自民党公認で立候補しました。民主党の現職だった藤田一枝氏を破り、初当選します。

その後も福岡3区で勝ち続け、2026年2月の衆議院選挙で6回目の当選を果たしました。

衆議院選挙得票数結果
2012年118,299票初当選
2014年114,093票2選
2017年136,499票3選
2021年135,031票4選
2024年95,074票5選
2026年132,247票6選

2024年は自民党への逆風もあり得票を落としましたが、小選挙区の議席は守りました。2026年には再び13万票台を得ています。

古賀氏は、県議から国政へ進んだ政治家ではありません。財務官僚から直接、衆議院議員になった人物です。この経歴が、県議会をめぐる問題から県連を立て直す局面で重視されたと考えられます。

厚生労働、環境、防災を歩いてきた実務型議員

古賀氏は初当選後、総務、厚生労働、環境、防災などの分野で役職を重ねてきました。

  • 2015年 総務大臣政務官兼内閣府大臣政務官
  • 2021年 厚生労働副大臣
  • 2022年 衆議院環境委員長
  • 2023年 自民党厚生労働部会長
  • 2023年 内閣府副大臣
  • 2024年 自民党政務調査会副会長
  • 2025年 自民党災害対策特別委員長

財務省出身ですが、政治家として前面に出ているのは、医療、福祉、子育て、環境、防災です。

強い発信で注目を集める政治家というより、官僚組織や党内組織の中で制度を組み立てる実務型といえます。

なぜ自民党福岡県連会長候補に選ばれたのか

古賀氏が県連会長候補に浮上した背景には、福岡県議会をめぐる一連の問題があります。

議長・副議長ポストをめぐる金銭授受疑惑高額な海外活動などが問題となり、蔵内勇夫氏は県議を辞職しました。自民党福岡県連の松本国寛会長も辞任を表明し、党本部は2027年春の県議選に向けた公認に厳しい姿勢を示しました。

9月14日、松本氏と福岡県選出の国会議員らは、次期県連会長を国会議員から選ぶことで合意しました。さらに9月15日、県選出国会議員らは古賀氏を推す方針を固め、候補を一本化したと報じられています。

県連会長選は9月27日に行われる予定です。立候補には、国会議員や県議ら20人の推薦人が必要とされています。

古賀氏が選ばれた理由として見えてくるのは、次の3点です。

  1. 県議会議員を経験しておらず、問題となった県議会内の人間関係から一定の距離がある
  2. 当選6回で、副大臣や党部会長を経験した実務能力がある
  3. 麻生太郎氏と武田良太氏のどちらか一方に明確に属する人物とは見られていない

テレビ西日本は、古賀氏について、旧宏池会に所属していたため「麻生氏寄りとも武田氏寄りともはっきりとは言えない立場」と伝えています。

ただし、古賀氏に政治的な色がないわけではありません。その位置を知る鍵が、古賀誠氏と林芳正氏です。

自民党福岡県連が県議中心の体制から国会議員主導へ戻る意味については、「自民党福岡県連、県議中心から国会議員主導へ」で詳しく整理しています。

古賀誠との関係|同じ古賀姓より重要な「宏池会」の線

古賀篤氏と、元自民党幹事長の古賀誠氏は同じ姓です。

ただし、両氏の公開プロフィールに親族関係を示す記載はありません。また、古賀誠氏の地盤だった福岡7区を後継として引き継いだのは藤丸敏氏です。福岡3区の古賀篤氏は、古賀誠氏の選挙区後継ではありません。

両氏をつなぐうえで重要なのは、血縁や地盤継承ではなく宏池会です。

古賀誠氏は宏池会会長を務め、2012年に岸田文雄氏へ派閥を引き継ぎました。古賀篤氏も、派閥が解散するまで旧岸田派に所属していました。

つまり古賀篤氏は、古賀誠氏の直接の後継者ではないものの、古賀誠氏が長く率いた宏池会の政治的な流れにいた国会議員です。

そして現在、両氏の間をつなぐ人物が林芳正氏です。

古賀誠氏と蔵内勇夫氏の関係、藤丸敏氏へ続く筑後保守政治については、「古賀誠と蔵内勇夫の接点」で整理しています。

林芳正を総裁選で支持した

古賀篤氏は、林芳正氏と同じ旧宏池会系の国会議員です。

2024年の自民党総裁選では、林氏の推薦人20人の一人に名を連ねました。2025年の総裁選でも林氏を支持し、福岡市内で開かれた支援集会では「林総裁を誕生させていただきたい」と訴えています。

古賀誠氏は、林氏を首相候補として長く支援してきた人物です。

そのため、古賀篤氏と古賀誠氏の関係は、直接的な地盤継承ではなく、

古賀誠氏―宏池会―林芳正氏―古賀篤氏

という政治的な流れで見ると分かりやすくなります。

古賀篤氏が麻生氏にも武田氏にも明確に属さない「調整型」の候補であることと、旧宏池会で林氏を支持してきたことは両立します。中立無色の人物というより、独自の政治的な足場を持ちながら、県内の各勢力が受け入れられる候補だったと見る方が実態に近いでしょう。

林芳正氏と蔵内家、古賀誠氏、ワンヘルスとの関係は、「林芳正と蔵内勇夫はどんな関係なのか」で詳しく紹介しています。

蔵内勇夫との接点はワンヘルス

古賀篤氏と蔵内勇夫氏をつなぐ、最もはっきりした接点がワンヘルスです。

2023年3月、自民党内に「自由民主党ワンヘルス推進議員連盟」が設立されました。

同年11月の役員名簿では、主な役職は次のようになっています。

役職氏名
最高顧問麻生太郎
会長林芳正
会長代理松山政司
幹事長代理井上貴博
副幹事長藤丸敏ほか
事務局長古賀篤
事務局次長自見はな子

古賀氏は単なる所属議員ではなく、議員連盟の事務局長です。

2023年11月7日の総会には、日本獣医師会会長として蔵内勇夫氏が出席しました。蔵内氏は、ワンヘルスの推進には政治と行政の両面からの支えが必要だとして、国会議員側へ協力を求めています。

総会の最後には、古賀篤氏が決議案を説明し、出席議員全員の了承を得ました。決議は関係省庁へ示され、その後の対応を議員連盟事務局が調整する流れとされました。

ここには、

  • 日本獣医師会側から政策を求める蔵内勇夫氏
  • 議員連盟会長として推進する林芳正氏
  • 事務局長として決議を取りまとめる古賀篤氏

という役割分担が確認できます。

古賀氏と蔵内氏の個人的な近さを示す材料ではありません。しかし、ワンヘルスを国政へつなぐ組織の中で、両氏が要請する側と取りまとめる側にいたことは事実です。

古賀氏が厚生労働副大臣、環境委員長、自民党厚生労働部会長を歴任してきたことを考えても、ワンヘルスは経歴上の担当分野と重なります。

蔵内氏の辞職後も国政に残るワンヘルスの仕組みについては、「ワンヘルスは『国策』になった。それでは国会議員はなぜ語らないのか」で整理しています。

県連会長になれば、蔵内体制を清算するだけでは済まない

古賀氏が県連会長に就任した場合、最初に求められるのは、福岡県議会をめぐる問題への対応と県連の信頼回復です。

2027年春には福岡県議選が控えています。誰を公認し、議長・副議長経験者をどのように扱い、県連独自の調査結果をどう公表するのか。新会長の判断は、現職県議の政治生命に直結します。

同時に、ワンヘルスへの対応も避けて通れません。

福岡県では、蔵内氏が推進してきたワンヘルス関連事業の検証が続いています。一方、古賀氏は国政のワンヘルス推進議員連盟で事務局長を務めてきました。

ワンヘルスという理念と、福岡県が進めてきた個々の施設整備や予算執行は分けて考える必要があります。それでも、新しい県連会長が国政側の推進役である以上、県の事業をどこまで見直し、国の政策とどう整理するのかは問われます。

古賀氏は、蔵内体制から距離を置くためだけに現れた人物ではありません。

古賀誠氏が率いた宏池会の流れに属し、林芳正氏を支持し、ワンヘルス議連では蔵内勇夫氏からの要請を受ける側にいました。

だからこそ、古賀氏が県連会長に就けば、県議中心の体制を国会議員主導へ戻すだけでなく、これまで県政と国政が一緒に進めてきた政策や人脈を、国政側の責任で整理する立場になります。

まとめ

古賀篤氏は、久留米大学附設中学・高校、東京大学法学部を経て、大蔵省・財務省に15年間勤務した元官僚です。

2012年に福岡3区で初当選し、2026年まで6回連続で小選挙区を制してきました。総務、厚生労働、環境、防災の分野で、政務官、副大臣、委員長、党部会長などを歴任した実務型の国会議員です。

古賀誠氏の選挙区後継ではありませんが、古賀誠氏が長く率いた宏池会の流れに属し、林芳正氏を総裁選で支援してきました。

さらに、自民党ワンヘルス推進議員連盟では事務局長を務め、日本獣医師会会長だった蔵内勇夫氏からの要請を、国政側で決議へまとめる位置にいました。

古賀氏が県連会長候補に選ばれたことは、単なる世代交代ではありません。

2015年の蔵内勇夫氏の就任以降続いてきた県議中心の県連から、国会議員主導の県連へ戻る転換点です。

今後見るべきなのは、古賀氏が誰に近いかだけではありません。

県議会問題の調査、2027年県議選の公認、ワンヘルス事業の検証という三つの課題に対し、古賀氏が国政側の責任者として何を決めるのかです。

タイトルとURLをコピーしました