あの日から二人は、驚くほど自然に続いていた。
週に一度は会い、会えない日はメッセージを交わした。
夜を越え、朝を並び、ひと月も続いている。
(自分は特別だ)
そう口には出さないが、胸の奥で何度も確認していた。
だが、変化はいつも静かだ。
最初は返信の間隔だった。
すぐに返っていた言葉が、数時間空くようになった。
それからしばらくして、とうとう返信が途絶えた。
不安な気持ちでメッセージを送った。
「今週、少しだけ会えない?」
だが、翌朝も、二日目も、既読がつかない。
電話もしたが、出なかった。
(忙しいのだろう……)
だが本当は知っている。
人は、会いたい相手には時間を作る。
(何かあったのだろうか……)
二週間が過ぎた。
画面の一番上にあった真依という名前が、ゆっくりと下へ沈んでいく。
通知は来ない。
あの夜の重なった心音。
鳥類センターの光。
それらは確かだった。
だが、確かだったことと、続くことは別だった。
立ち上がり、真依の働くガールズバーへ向かった。
ファミマを抜けて、メイン通りを歩く。
笑い声。
キャッチの群れ。
酔っ払いたちの歌声。
かつて、この文化街の中で二人は出会った……はずだった。
つづく

