久留米市で大地震は起こる?南海トラフ・水縄活断層・過去の地震から考える

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全国各地で大きな地震が相次ぐと、「久留米市は大丈夫なのか」「南海トラフ地震が起きた場合、久留米にも影響はあるのか」と不安に感じる人も多いのではないでしょうか。

久留米市は、大雨や筑後川の氾濫など、水害の印象が強い地域です。そのため、地震への意識はやや薄くなりがちかもしれません。

しかし、久留米市が地震と無関係な地域というわけではありません。久留米市周辺には水縄活断層があり、過去には大きな地震が起きた可能性も指摘されています。

この記事では、久留米市で大地震が起こる可能性、南海トラフ地震の影響、久留米に関係する活断層、過去の地震の歴史、そして今からできる備えについて整理します。

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久留米市で大地震は起こる可能性があるのか

結論からいえば、久留米市でも大地震が起こる可能性はあります。

もちろん、いつ起きるかを正確に予測することはできません。また、久留米市は日常的に大きな地震が頻発している地域ではありません。

しかし、「大きな地震が少ない地域」と「大きな地震が起きない地域」は違います。

福岡県は、県内の主要な活断層や南海トラフ地震を対象に、震度、建物被害、人的被害、ライフライン被害などの想定を公表しています。その中には、久留米市に関係が深い水縄断層帯も含まれています。

久留米市で地震を考える場合、まず確認しておきたいのが、この水縄活断層です。

久留米市に関係が深い水縄活断層とは

水縄活断層は、福岡県うきは市方面から久留米市田主丸町を経て、久留米市合川町方面に至る活断層です。

全体の長さは約26キロメートルとされ、ほぼ東西方向に延びています。

つまり、水縄活断層は久留米市にとって「遠くの断層」ではありません。市内やその周辺に関係する、非常に身近な活断層です。

この水縄断層帯が活動した場合、マグニチュード7.2程度の地震が発生すると推定されています。マグニチュード7級の地震となれば、建物の倒壊、家具の転倒、停電、断水、道路や鉄道への影響など、生活全体に大きな支障が出る可能性があります。

水縄断層帯が動いた場合の想定被害

福岡県の地震に関する防災アセスメントでは、水縄断層帯による地震が発生した場合、県内で最大震度7が想定されています。

福岡県全体で見た主な被害想定は、次のとおりです。

想定地震地震規模30年以内の発生確率最大震度全壊・全焼半壊死者負傷者避難者
水縄断層帯M7.2ほぼ0%711,000棟44,000棟300人4,300人79,000人

これは久留米市だけの被害想定ではなく、福岡県内全体での想定です。

それでも、水縄断層帯が久留米市に関係する活断層であることを考えると、久留米市民にとって無視できない数字です。

また、ライフラインへの影響として、福岡県の想定では水縄断層帯の地震で、停電4,800軒、断水人口4,800人、下水道支障人口10,000人、不通回線3,300回線、道路被害670箇所、鉄道被害190箇所なども示されています。

地震で怖いのは、揺れそのものだけではありません。揺れた後に、水が出ない、トイレが使えない、スマートフォンが充電できない、道路が通れない、電車が止まるという生活の混乱が起こることです。

「発生確率が低い」ことは「起きない」ことではない

水縄断層帯の30年以内の地震発生確率は、国の評価では「ほぼ0%」とされています。

この数字だけを見ると、「久留米市で大きな地震が起きる可能性はかなり低い」と感じるかもしれません。

しかし、ここで思い出したいのが2016年の熊本地震です。

熊本地震を引き起こしたとされる布田川断層帯の地震についても、事前の30年以内発生確率は1%未満とされていました。それでも、実際には最大震度7を観測する大地震が発生しました。

もちろん、水縄断層帯で近いうちに大地震が起きると決めつけることはできません。必要以上に不安をあおるべきでもありません。

ただし、「発生確率が低い」と「絶対に起きない」は違います。

久留米市内を通る活断層があり、過去には大きな地震との関係も指摘されている以上、確率だけを見て油断するのは危険です。

久留米周辺の大地震の歴史

久留米周辺の地震の歴史として重要なのが、679年の筑紫地震です。

久留米市によると、市内の遺跡調査から、水縄断層帯の最新の活動は679年、天武7年の筑紫地震である可能性があるとされています。

筑紫地震は、マグニチュード6.5から7.5程度の規模だったと推測されています。『日本書紀』には、幅約6メートル、長さ約10キロメートルの地割れが生じ、家屋の倒壊が多数あったという記録が残されています。

古代の地震であるため、現在の観測記録と同じように考えることはできません。しかし、久留米周辺が地震の歴史と無関係ではないことを示す重要な出来事です。

久留米は「水害の町」という印象が強い一方で、古代の大地震とも関係する可能性がある地域なのです。

関連記事:久留米と筑後川の水害史

南海トラフ地震が久留米市に与える影響

地震への不安として、多くの人が思い浮かべるのが南海トラフ地震です。

南海トラフ地震は、主に太平洋側の広い範囲に大きな被害をもたらすと想定されている巨大地震です。久留米市は太平洋沿岸の自治体ではないため、津波による直接的な被害を大きく心配する地域ではありません。

しかし、南海トラフ地震が久留米市にまったく影響しないわけではありません。

福岡県の想定では、南海トラフ地震による県内最大震度は5強とされています。県内全体では、全壊・全焼700棟、半壊3,200棟、避難者3,100人が想定されています。

水縄断層帯や警固断層帯などの直下型地震に比べると、福岡県内の被害想定は小さく見えます。

ただし、南海トラフ地震は西日本全体に大きな被害をもたらす可能性がある巨大災害です。久留米市では、建物の揺れだけでなく、停電、断水、物流の混乱、交通機関の乱れ、支援の遅れなども考えておく必要があります。

特に、食料品や日用品、ガソリン、医薬品などの流通に影響が出れば、久留米市内で大きな被害が出ていなくても、生活に支障が出る可能性があります。

南海トラフ地震については、「久留米が壊滅する」という話ではなく、「広域災害の影響を受ける可能性がある」と考えるのが現実的です。

南海トラフ以外に福岡県で想定される活断層地震

福岡県の防災アセスメントでは、南海トラフ地震のほか、県内の主な活断層による地震も想定されています。

対象となっているのは、次の活断層です。

想定地震地震規模30年以内の発生確率最大震度全壊・全焼死者避難者
小倉東断層M7.1不明711,000棟500人79,000人
福智山断層帯M7.2ほぼ0〜3%711,000棟400人79,000人
西山断層帯M7.9〜8.2不明741,000棟1,800人293,000人
宇美断層M7.1ほぼ0%735,000棟1,900人343,000人
警固断層帯M7.70.3〜6%736,000棟1,800人319,000人
日向峠・小笠木峠断層帯M7.2不明719,000棟900人197,000人
水縄断層帯M7.2ほぼ0%711,000棟300人79,000人
南海トラフ地震M8〜9クラス60〜90%5強700棟わずか3,100人

久留米市に最も直接関係するのは水縄断層帯です。

一方で、福岡県全体で見れば、警固断層帯、宇美断層、西山断層帯などでも大きな被害が想定されています。福岡市や北九州市方面の地震であっても、交通、物流、通信、経済活動に影響が出れば、久留米市の生活にも波及する可能性があります。

地震は、震源地だけの問題ではありません。広い地域の生活を一気に揺らす災害です。

久留米市民が確認しておきたい地震への備え

地震への備えで大切なのは、特別なことを一度にすべて行うことではありません。

まずは、家の中で危険な場所を減らし、停電や断水が起きたときに数日間しのげるようにすることです。

確認しておきたい主な備えは、次のとおりです。

・家具を固定する
・寝室に倒れやすい家具を置かない
・食器棚や本棚の転倒防止をする
・水と食料を備蓄する
・非常用トイレを用意する
・モバイルバッテリーを充電しておく
・懐中電灯やランタンを準備する
・家族との連絡方法を決めておく
・避難所の場所を確認する
・車が使えない場合の避難ルートを考えておく
・高齢者や子どもがいる家庭では、避難の手順を話し合っておく

久留米市では水害への備えも必要ですが、地震の場合は「家の中でけがをしないこと」「断水や停電に備えること」が特に重要です。

地震に備えて自宅に置いておきたい防災グッズ

地震への備えは、まず水、トイレ、電源から考えるとわかりやすくなります。

大きな地震が起きると、断水でトイレが使えなくなる可能性があります。停電すれば、スマートフォンの充電もできなくなります。道路や物流に影響が出れば、すぐに買い物へ行けないこともあります。

最低限、次のようなものは自宅に備えておきたいところです。

・保存水
・非常食
・非常用トイレ、凝固剤
・モバイルバッテリー
・懐中電灯、ランタン
・乾電池
・軍手
・救急用品
・ウェットティッシュ
・携帯ラジオ
・防災リュック

防災グッズを一からそろえるのが大変な場合は、防災リュックや防災セットを利用する方法もあります。ただし、セットを買って終わりではなく、中身を確認し、自分の家庭に必要なものを追加していくことが大切です。

たとえば、小さな子どもがいる家庭では紙おむつやミルク、高齢者がいる家庭では常備薬や介護用品、車移動が多い人は車載用の防災用品も考えておきたいところです。

防災グッズを確認する場合は、次のようなものからそろえると始めやすいです。

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地震だけでなく水害や断水時にも役立ちます。久留米市のように水害への備えも必要な地域では、優先度の高い防災用品といえます。

まとめ

久留米市では、台風筑後川の氾濫梅雨の大雨による内水氾濫など、水害への備えが注目されやすい地域です。

しかし、災害は水害だけではありません。

水縄活断層の存在、679年の筑紫地震との関係、南海トラフ地震の広域的な影響を考えると、久留米市でも地震への備えは必要です。

発生確率が低いからといって、何も備えなくてよいわけではありません。熊本地震のように、事前の確率だけでは実感しにくかった大地震もあります。

不安をあおる必要はありません。しかし、油断する必要もありません。

大きな地震が起きる前に、家の中、避難先、備蓄、家族との連絡方法を確認しておくことが、久留米市で暮らす私たちにできる現実的な防災です。

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