「久留米には観光地がない」と言う人がいる。
けれど、それは大きな誤解です。
福岡県南部、筑後川のほとりに広がる久留米は、古代から続く歴史と文化、そして芸術と食の町。
華やかなテーマパークこそ少ないかもしれませんが、“じわりと心に残る旅”ができるのが久留米の魅力です。
本記事では、地元目線で「本当に行く価値のある久留米観光スポット」を、歴史・文化・グルメ・体験の4つのテーマで徹底ガイドします。
日帰り旅行にも、週末の小旅行にもおすすめの内容です。
【1】歴史と信仰を感じる久留米の名所
久留米市には数多くの由緒ある神社や歴史資料館が現存しています。
●水天宮(すいてんぐう)
久留米と言えば、何といっても全国の水天宮の総本宮として知られる、久留米市瀬下町の神社・水天宮。
安産・子授けのご利益があり、全国から参拝者が訪れます。春の桜や初宮詣の季節は特に美しい。
🕊️ 見どころ: 本殿の荘厳な造りと、筑後川を望むロケーション。
📍 アクセス: JR久留米駅から徒歩10分。
●高良大社(こうらたいしゃ)
次におススメは、筑後一の宮・高良大社です。
高良大社は、標高312mの高良山山頂に鎮座し、久留米の街を一望できる古社。
古代からの「高良の神」は武運・健康の神として信仰され、夜景スポットとしても人気です。
🕊️ 見どころ: 高良山の自然と、参道に並ぶ石灯籠の情緒。
📍 アクセス: 西鉄久留米駅からバスで約15分。
●有馬記念館
久留米藩主・有馬家の歴史を伝える資料館。江戸時代から続く武家文化や、明治以降の近代化に貢献した有馬家の足跡を辿ることができます。
●子母観音像
高良大社の麓で、ひときわ目立つ白い仏像。それが、子母観音像です。

ただ眺めるだけでなく、拝観料・500円で観音様の中に入ることもできます。
●こふんピア広川
久留米市街地から車で20分ほどに、筑紫君磐井一族の古墳などが点在しており、古墳好きにはたまらないスポットです。
古墳資料館『こふんピア広川』もあります。
●恋木神社
久留米市街地から車で約40分、恋の神様で有名な恋木神社があります。
【2】芸術と文化を味わうスポット
●石橋文化センター
ブリヂストン創業者・石橋正二郎が故郷に寄贈した文化複合施設。
美術館・庭園・音楽ホールが一体となり、四季の花が咲き誇る癒しの空間です。
🖼️ おすすめ: 春のバラフェア、久留米市美術館の特別展。
🎵 入館無料: 庭園散策だけでも十分楽しめます。
●青木繁記念館・坂本繁二郎旧宅
明治の洋画界を代表する久留米出身の二人の巨匠、青木繁と坂本繁二郎。
彼らの生家や記念館が保存され、アート好きにはたまらない“聖地巡礼コース”です。
●タマスタ筑後
久留米から30分~40分程度。新幹線も停車する駅・筑後船小屋駅の目の前にあるのが、ソフトバンクホークスの2軍球場・タマスタ筑後です。グラウンドが2つと室内練習場があり、2軍~4軍までの選手が練習や試合をしています。
ファンとの距離が近いことで有名で、目の前を選手が歩いていき、サインなどもしてくれます。柳田(ギータ)選手など超有名1軍選手も調整などでたびたびやってくる、野球好きにはたまらない人気スポットです。
『あまおうけずり』というタマスタ筑後限定スイーツが有名です。

【3】久留米グルメを堪能
●久留米ラーメン
豚骨ラーメン発祥の地。濃厚で深みのあるスープが特徴。
老舗「丸星ラーメン」や「大砲ラーメン」は地元民も通う名店です。
🍜 おすすめ: 丸星ラーメンは良心価格の600円(2025年10月時点)で食べられます。さらにセルフ形式で高菜、肉じゃが、肉団子などが無料です。大砲ラーメンの“昔ラーメン”は、昭和30年代の味を再現しています。
●焼きとりの町・久留米
実は「焼き鳥店舗数・日本一クラス」。
豚バラ・ダルム(腸)・つくねなど、個性的な串が並びます。
地元民の間では“焼き鳥で一杯”が久留米スタイル。
おすすめ:どのお店で食べても美味しいですが、一番おススメは九十九です。市内に3店舗あります。
【4】自然と温泉で癒される
●耳納連山(みのうれんざん)ドライブ
久留米の東にそびえる緑豊かな山々。
展望台からは筑後平野を一望。春の新緑、夏の滝、秋の紅葉ドライブが人気です。
歴史情緒あふれる草野町から雄大な滝まで、様々なお店、施設が点在しています。
●原鶴温泉(うきは市)・船小屋温泉(筑後市)
久留米から車で30分圏内にある名湯地。
原鶴は“美人の湯”、船小屋は“炭酸泉”として知られています。
【5】地元ゆかりの人物・文化にふれる
久留米は芸術や音楽でも著名人を多数輩出しています。
- 藤井フミヤ・藤井尚之(チェッカーズ)
- 石橋凌(ARB・俳優)
- 田中麗奈(女優)
- 青木繁・坂本繁二郎(画家)
- 石橋正二郎(ブリヂストン創業者)
この街の文化は、「ものづくり」と「表現」の精神に満ちています。
【まとめ】
“観光地がない”と言われる久留米ですが、歩いてみればその印象は一変します。
歴史・芸術・食・自然、どれも派手ではないけれど、じっくりと心に染みる魅力に満ちた町。
次の休日は、「久留米で文化を歩く旅」をしてみませんか?