久留米の一番街商店街を歩くと、居酒屋が多いと感じる。
実際には他の店もあるが、全体として“居酒屋の街”という印象が強い。
なぜこの通りは、ここまで居酒屋が増えたのか。
それは単なる流行ではなく、地方都市の商店街がたどる構造的な変化である。
なぜ一番街商店街に居酒屋が増えたのか
かつて商店街は、日常の買い物を支える場所だった。
衣料品や雑貨、個人商店が並び、人が歩くことで成り立っていた。
しかし現在、その役割は大きく変わっている。
ゆめタウン久留米など郊外型の大型店舗が広がり、車でまとめて買うスタイルが主流になると、商店街の「昼の機能」は急速に弱まった。
結果として、空き店舗が増え、通りとしての役割が揺らぐ。
それでも一番街に人が残る理由
機能は失われても、場所の価値は消えない。
一番街は
- 西鉄久留米駅に近い
- 徒歩でアクセスできる
- 通りとしての形が残っている
という条件を持っている。
この立地は、昼の買い物には不利でも、別の用途には適している。
居酒屋が入り込む理由
空いた場所に入ってきたのが居酒屋である。
理由は、大きく3つある。
・夜の飲食は車移動と相性が悪く、駅周辺に人が集まる。
・小さな区画でも営業でき、初期コストも比較的低い。
・個人でも始めやすく、空き店舗との相性がいい。
つまり、商店街の空いた空間に対して、最も適応しやすい業態が居酒屋である。
居酒屋は集まることで成立する
居酒屋が増えると競争になるように見えるが、実際は逆の側面を持つ。
同じエリアに店が集まることで
- はしごがしやすくなる
- 店を比較できる
- その場で選べる
といった利便性が生まれる。
その結果、分散せずに密集する方向に働く。
一番街で居酒屋が多く見えるのは、この構造によるものだ。
西鉄久留米駅周辺で飲みが完結する構造
現在の久留米では、飲みは西鉄久留米駅周辺で完結する傾向がある。
移動を減らし、徒歩圏で済ませ、帰りやすさを優先する。
この条件のもとでは、駅に近い場所ほど人が集まりやすい。
一番街はその最前線にある。
そのため、回転の速い居酒屋が集中しやすくなる。
まとめ
久留米一番街商店街が居酒屋だらけに見える理由は単純ではない。
昼の商店街としての役割が薄れ、駅近という立地に適応した業態が入り込み、さらに密集することで価値を持つ構造が働いた結果である。
地方都市の商店街で見られるこの変化は、衰退ではなく再配置といえる。
一番街は今、買い物の場所ではなく、夜に人が集まる場所として機能している。

